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かえして
長編

かえして

匿名 2015年8月20日
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◆肝試しの惨劇 これは僕の友人がほんとに体験したことです。 以下、友人目線で話を進めます。 ある時、度胸試しをしに地元でも有名な空き旅館に言った時の話です。 多ければ多い程楽しくなるし、心強い。そう思った僕はその旅館に7人で行きました。 この時の友人は武闘派が2人❪武A.B❫、霊感が強いのが2人❪霊C.D❫、イイヤツなんだけど思想が危ない奴が1人❪E❫、そして写真部の奴が1人❪F❫。 Fは写真を撮るために呼ばれて、かなり臆病な奴だった。 そして皆で準備を整えて、いざ旅館についた時に異変が起きた。今思えば、この時にヤバイと思って入るのをやめておけば良かったと思う。 突然、Cが「おいF、そこ撮って」と言い出した。Cが指さしたのは車の前の電柱だった。 Fはよく分からないまま写真を撮って、俺らに見せてくれた。特におかしい所はない。只の田舎の電柱だ。 するとDが写真の奥の方を指して 「ほら、ここになんか変な女の人いるじゃん。」 慌てて指さされたところを見ると……いた。 黒い、喪服?の様な姿の女性が立っている。この辺に斎場はない。墓場もない。その時は7月で、かなり熱かったから妙だった。 「なぁ、この人さ、手に持ってんの……なにこれ棒?……か?」 女性の手には何か太い、褐色の物体があった。 「おいおい、勘弁してくれよ。」 「どうした?」 「なんかバックミラーに知らない間に髪がかかってる」 俺は勢いよくミラーを見た。確かにある。そして同時に驚いた。 この車は10人乗り。E❪金持ち❫が興味本位で買った装甲車である。車高は200cmのオフロード仕様であった。なのに、それを超えるほどに髪は長かった。 「何年放置したんだよ……綺麗な髪なのに……」 こんな状況でもそんな冗談を言うAは本当に肝が座っている。 「なんか幸先悪いな。まあいいや、入ろうぜ」 もしもの時のために用意したリュックを担ぎ、Bが車を下りる。それに続いて俺達も車から降りた。 A「結構寂れてんのな」 C「見た感じそんな危なそうではないね。」 E「早く行こうぜ、ほら、ライト」 俺「あざっす」 Eから貰ったLEDライトをつける。すごい明るいです。 全員で一緒に入り、その後2班に分かれた。 俺、B、C、FとA、D、Eという分け方で探索を開始した。一階は俺ら。2階はAら。 俺「Cー、なんかいる?」 C「まだこの辺は居ないねー」 B「床腐ってっから気をつけろよF」 F「あ、ありがとう。あのね…」 Fが何か言いかけたその時だった。 B「なんかこの襖変だな。色が……」 C「…!!馬鹿!そこは…」 Bは力任せにその襖を開けた。開けたというより破った。 B「……なんだこれ…」 俺「何?なんかあったの…」 開け放たれた襖の奥には人形が一体、ポツンと置いてあった。が、なにかおかしい。 F「ねえこれさ…死体……?」 それはない。死体だったら悍ましい匂いがするはずだ。近づいてよく見る。俺は見た事を後悔した。そこにおいてあったのはお守りや札やなんやらで埋め尽くされた日本人形だった。 俺「ひっ……」 C「だから開けんなっつっただろうが!!あいつらと合流するぞ!おいF!写真撮るな!」 F「撮っちゃったよ…」 B「走れ!A達と合流する……!?」 Bが叫んだ瞬間、一階の奥から何かを引きずる音が聞こえた。ずり……ずり…… だんだんその音は大きくなっていた。気丈で知られているBですら、動けずにいた。 そして、その主は遂に俺の視界に入ってきた。 簡単に言うと、エクソシストとゴキブリとナメクジと貞子を混ぜたような奴がそこにいた。これなんてカオス。恐怖を通り越して最早笑えてきてしまっていた。 B「あれ、さっきの女の人じゃね?」 C「やばい……あれはやばい……」 俺「Cどうした?おい!」 F「取り敢えず撮っとこう」 俺「おまww」 正直言うと、恐すぎて皆よく分からない状態になっていた。 「ははは……ははは」 B「あいつ今笑ったぞ……!?なんかやばい!」 その化物は一度止まると、こちらを向いた。すげえ怖かった。顔面血塗れなのに笑ってんの。しかも耳まで口が裂けてた。 「はははははははははははははは」 そいつは笑い出すとものすごい速度でこちらへ滑って来た。 B「おい!逃げるぞ!」 F「う、うん!」 俺達は車に向かって走り出した。やっとのことで車にたどり着くと、もうAたちがスタンバイしていた。 A「予想外だ!やばい!逃げるぞ!」 B「何があったんだよ!」 D「話は後だ!出してくれ!」 E「やってやったぜ!」 俺「E!あれ旅館に仕込んできたのか!?」 E「もち。」 F「ね、ねぇ皆!Cが来てないよ!」 全員「え……!?」 Cがいなくなっている。さっきまで一緒に……まさか!? A「中にまだ居るってのか?おい!携帯ならせ!」 D「お、おう!」 急いでCに電話をかける。ニコール目で出た。 A「C!今どこだ!C!」 C「…………」 A「C?」 D「あ……」 Dが突然旅館の方を指さした。入口にCが立っている。 A「C!なにしてんだ!早く乗れ!」 Aがどれだけ言っても一向に乗ってこようとしなかった。すると、通話中の携帯電話から、最悪の返事が帰ってきた。 「はははははははははははははは」 さっきの化け物の声だった。急いでCの方を見ると、最早Cは居なかった。代わりに、あそこで見た札だらけの人形がこちらを見ていた。 俺は恐怖のあまり、アクセル全開で発車した。音楽をガンガンにかけて死にものぐるいで走った。 気付いたら繁華街まで来ていた。駐車場に車を止め、すぐ近くのファミレスに入った。 Dはさっきから何も話さなかった。 Fはずっとカメラを弄っていた。 B「なんだったんだあれ……そういや、お前らは2階でなんかあったのか?」 A「2階はとくになんも。ただDが奥の方から嫌な予感がするって言ってたから行くのやめて戻ろとしたら階下から笑い声が聞こえたから先戻ってエンジンかけてた。その時はEだけ少し遅れて戻ってたなそういえば。」 E「塩なら撒いたよ」 D「多分あそこの旅館さ、入口の案内にあったけど、1階と2階の奥なんも書いてなかったんだよ。でも、明らかに空間はあった。」 E「そういやさ」 A「どうした?」 E「最後仕掛けた時、ふと思ったけど、誰か1階のドアかなんか壊した?」 B「襖なら……」 E「違う違う。なんか分厚い板にトンカチ振り下ろしたみたいな音。」 B「なぁE。お前それいつの話だ?」 E「ははははははの少しあとかな」 F「ねぇ……」 Fが唐突に口を開いた。カメラを弄る手が止まっていた。Fはふるえながら、カメラロールを指さしていた。 F「最後、逃げる時に間違えてムービーにしてたんだよ。それで、少しだけ後ろ、つまり化け物の方がとれたんだ。」 Fは画面をこちらに向けると、行くよ。といって再生ボタンを押した。 逃げる俺達、その後ろに映っていたのはCだった。Cは次の瞬間、180度首を回転させカメラ目線である言葉を繰り返していた。 「うでかえしてあしかえしてあたまかえしてかえしてかえして……」 ピリリ 携帯電話がなった。Cからだった。 俺「もしもし……」 「かえして」 俺「え?」 「かえして」 俺「ちょ」 「うで、かえして」 「たりないの」 「あの子に持ってきてもらうね」 「ちょっと待っててね」 「すぐ行くからね」 俺「……」 A「おい、どうした!?」 俺「あの最初の写真の女いただろ。」 B「お、おう。それが?」 俺「あいつ、手になんか持ってただろ」 D「おいまさか……」 俺「あれ、腕だった。子供の。」 俺「あの人形いただろ。多分あいつの腕を探してるんだよ」 F「ねえ、最初の写真に異変が……」 全員「え……?」 最初の写真を覗き込み、拡大した。 そこにいたのは、喪服の女ではなく、気持ち悪いほどに笑っているCだった。 その直後。旅館の方から爆発音が聞こえた。Eが仕掛けたというガスボンベ15本が爆発したようだ。 「け、警察と消防を!」 すぐさま警察が呼ばれ、消防車が旅館の方へ行った。俺らもそれに続いてまた戻った。Cの安否を確かめるためにもだ。 結論から言うと、Cは居なくなっていた。いや、旅館ごと半壊していた。二階部分は完全に吹き飛び、天日に晒されていた。 俺らはこっそりと旅館に入っていった。 そして、例の襖を無視し、更に奥へ行った。ある部屋があった。化物はもう居なかった。でも俺達は吐いた。 その部屋は動物や人間やマネキンの腕が大量に置いてあり、その奥にCが座っていた。 Cの腕は、引きちぎられていた。 Cの足元には赤い液体が溜まっていた。 俺達は何も言えず、急いで家に帰った。 と、ここで友人は話し終えた。じゃあ、どうにかなったってことか。僕がそう言うと友人は無言でスマホを渡してきた。 そのカメラロールには、ある家の前に佇む喪服の女が立っていた。 その家は、友人のいえだった。

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