
中編
どこ?
コシン 2日前
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Y県で警察官をしている伯父から聴いた話です
Y県で数年前、ある交通事故がありました
左右を山に挟まれた県道で、一台の自動車がおそらくカーブを曲がりきれずに道路脇の切り立つ斜面に猛スピードで激突したそうです
事故の時間は午後11時過ぎで、その時間になると車通りが極端に減る地方だったため事故の瞬間を見た者はなく、事故後にたまたまその道を通った車の運転手が発見し通報
事故を起こした車はボンネットどころか運転席付近までペシャンコになるほどで、かろうじて残った窓ガラスの内側には多量の血痕が付いていましたが、運転手が中でどのような状態になっているのか外からは全くわからなかったようです
道路にタイヤのブレーキ痕がなく、車の状態からもノーブレーキで斜面へ突っ込んだようで、後に到着した警官らも運転手は即死だろうと予想してはいました
救急車や救助隊が到着し、運転席側のドアやボンネットなどをなんとか引き剥がしたところで皆が不思議な事に気づきました
車内には多量の血痕や運転手のものと思われる荷物などが見つかったものの、肝心の運転手など人間がどこにもいないのです
事故の衝撃で車外に飛ばされている可能性も考慮し周囲を捜索したものの、事故を起こした側の斜面は壁のように切り立っているため見落としようがなく、反対側は緩やかな斜面で比較的見通しがよく半径100m近く捜索しても見つかりませんでした
付近に川や谷があればそれらに落ちたということも考えられるでしょうが、それも付近にはないようです
なにより運転席までペシャンコになるような事故で車内から人が飛び出すようにも思えず皆気味悪がっていたそうです
のちに遺留品(と言えるならば)から、この車を運転していたのは県内に住む20代の会社員男性で、22時半ごろに会社を退勤した記録が残っているため一人で帰宅している途中に事故を起こしたのだろうということがわかりました
もちろん、事故の日以来は彼を見たものはおらず、状況から彼が死亡したであろうことは予測できるのですが、肝心の遺体は結局今も見つかっていないそうです
伯父が最も気味悪がっていたのは、ドライブレコーダーです
事故を起こした車から奇跡的にドライブレコーダーのSDカードを回収することができ、事故の状況を詳しく知るためその映像を見たようです
ドライブレコーダーはフロントガラス上部から前方のみ録画するタイプで音声も録音されています
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