
俺の親友である美咲は、霊感が非常に強い。何年も付き合っているが、そのことを知ったのはほんの数年前のことだ。 それからは、オカルト好きな俺は時折美咲に頼ることが増えた。これは、美咲の力を知ったばかりの頃に体験した話だ。 それは数年前、冬の夜のことだった。 俺は当時付き合っていた彼女の由美と一緒にいた。由美は派手な見た目で、遊び好きな性格だった。美咲の霊感についてはあまり口外しないでくれと頼まれていたが、付き合っていた俺は、つい彼女に自慢してしまった。 由美はそれにあまり興味を示さず、軽く流していたが、後に飲みに行くことになり、彼女も参加することになった。 その夜、バーに集まった俺、美咲、そして由美の三人。美咲と由美は面識があり、大学時代の友人でもあった。楽しく飲んでいた時、由美が美咲に「霊感あるんだよね?」と突然聞いた。 美咲はその言葉に驚いて俺を睨みつけた。俺は彼女が話を聞いていたことに驚き、謝りながら美咲を宥めた。 美咲は不機嫌そうにため息をつき、由美がその話を続けるのを見守る。 「実は私の友達に、ちょっと変わった子がいて、彼女も霊感があるみたいなの。会ってみたいって言ってるんだけど、ここに呼んでもいい?」 俺は美咲が興味を持たないか心配しつつ、是非会ってみるべきだと提案した。美咲は渋々承諾し、由美の友人、真央を呼ぶことにした。 30分ほどで現れた真央は、華やかな見た目の美少女だった。彼女はハイネックのセーターにミニスカートを合わせており、誰が見ても魅力的だった。 「こんばんは、真央です!呼んでくれてありがとう!」と元気に挨拶する彼女に、俺は思わず笑みを浮かべた。 しかし、美咲は彼女の登場に一層不機嫌になり、真央が彼女の隣に座ると、彼女の退路を塞ぐ形になった。 真央は美咲に向かって、自分も霊感があることを話した。 「私、神様と契約してるんですよ」と言いながら、左手を見せる。そこには、赤い線が走っていた。 それを見て、俺は驚いた。 真央の話を聞くうちに、彼女が語る神秘的な存在の話に引き込まれていった。 彼女の実家は山の奥にあり、代々その山を守る神様を祀る祠があった。真央はその神様と契約したことで、特別な力を得たと語る。だが、彼女の話の中には不気味さが漂っていた。 「実は、私の家族は全員亡くなってしまったんです」と真央は淡々と続けた。 俺と美咲はその言葉に言葉を失った。彼女が話す神様との契約が本当に存在するのか、信じられなかった。 その後、真央は「美咲さん、私の後ろに何か見えますか?」と美咲に尋ねた。美咲は無表情で「何も見えない」と答えた。 すると真央は「残念、嘘つきにはお酒は飲めない」と言い残し、立ち去った。俺たちの方を振り返ることもなく、颯爽と去ってしまった。 俺はその後美咲に尋ねた。「あれはどういうことだったんだ?」 美咲はため息をつき、「あの子の言ってた神様、あいつの頭の中だけの存在だと思うよ。実際には、彼女の周りには何か恐ろしいものがいる」と言った。 その言葉を聞いて、俺は背筋が寒くなった。 それから数年後、俺は由美とは別れ、様々な出来事を経て、新しい恋人と出会った。 ある日、友人から真央の噂を聞いた。彼女が自殺したというのだ。 俺はその時、真央の言っていた神様のことを思い出し、何も言えなかった。 それから数ヶ月後、友人が言った。「真央のこと、知ってる?彼女はまだ生きているって言ってる人がいるんだ。」俺は震え、彼女のことを考えた。彼女の存在は、俺の心の中で永遠に消えない影となっている。
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