
中編
田舎の夜道
匿名 12時間前
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んです。
「うおおお!」
と叫ぶと私は一目散に走っていました。
後ろから驚いて追いかけてくる同僚の声が聞こえますが、何を言ってるのかも解らず頭が真っ白で、とにかく夢中で走りました。
寮の部屋に戻って気持ちが落ち着いた頃、同僚がぽつりと言いました。
「もう夜は出ないようにしよう」
それからその現場での仕事が終わるまで、その夜の事については私も同僚も頑なに喋る事はありませんでしたが、無事現場が終了し、数ヶ月経ってから一緒に飲みに行った際、あの時に見た化け物の話になりました。
すると言いにくそうに、同僚が話を始めました。
実はその同僚は、いつもではないが霊などの類が見えることがあるようで、あの自販機に辿り着いた時、すでに半獣人な爺さんの巨大な顔を見ていたそうです。
ですがその時は
「すごく怖くて声も出なかったんだけど、お前も怖がらせるといけないから、そっと離れて落ち着こうとジュースを飲んでいた」
のだそうです。
今となっては「怖かったね」で終われる話ですが、当時怖い思いをした場所の近くに数ヶ月も寝泊りをしなければならない状況は相当怖かったです。
幸いにもその後、その顔を見る事はありませんでしたが…今でもその顔ははっきりと思い出せるほどのインパクトと恐怖がありました。
あの時に見たものが何なのか、今では知る術はありませんが、たまに夜道端の自動販売機で飲み物を買う時に、思い出してしまいます。
この怖い話はどうでしたか?
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- 全く怖さがない喜多郎