
それは、今から約20年前の出来事です。冬の寒い夜、大学の友人たちと自宅で集まっていると、何か刺激が欲しくなり、心霊スポットで有名な山の廃墟に行くことにしました。
車で揺られながら、心霊スポットの噂を語り合いました。廃墟は山の頂上にあり、夜の闇に包まれたその場所には、冷たい風が吹き抜けていました。到着すると、周囲は静寂に包まれ、まるで時間が止まったかのような感覚がしました。
私たちは、持参した古びた日記を開いて、霊的な体験を記録することにしました。最初は冗談交じりに心霊写真を撮ることになり、デジタルカメラで何枚もシャッターを切りました。廃墟の入口や、中にある不気味な物の写真を次々に撮りました。
一通り探索を終え、特に異常も感じないまま帰ろうとした瞬間、友人の一人が「やっぱり何かがいる」と言い出しました。私も不安を感じつつ、後部座席に乗り込むと、突然、耳元で「戻れ」という低い声が響いたのです。
驚いて振り返ると、暗闇の中に白い影が浮かんでいました。その瞬間、全てが真っ白になり、意識が遠のいていきました。
気が付くと、車は帰り道を走っていました。友人たちが私を見つめ、驚いた表情で「お前、変な声で叫んでたぞ」と言いました。私の記憶は全くないのですが、彼らによると、私は明らかに自分の声とは異なる声で「戻れ」と叫んでいたとのこと。背筋が凍りました。
それから家に帰ると、特に何も起こらず安堵していました。しかし、数日後、突然の腹痛に襲われ、病院に行く羽目になりました。検査の結果、内臓に異常が見つかり、手術を余儀なくされたのです。
その後、廃墟で撮った写真が現像されると、そこには白い影が映り込んでいました。私が見たその影と同じ形をしていました。恐怖を感じると同時に、あの声が耳に残っていました。「戻れ」と。私の中で、何かが変わってしまったように思えました。無邪気に心霊スポットを訪れたあの日が、今でも脳裏に焼き付いています。
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