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長編

幼少期の体験談1「裏山の石段」

匿名 3日前
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がらなくても大丈夫!」 そう言って、私の手を引いてどんどん歩き出してしまいました。 私は不安でべそをかきながらも手を引かれてそのまま歩いて行きました。 後ろからはお似合いだとか、らぶらぶだとか茶化す声が聞こえましたが、それどころではありませんでした。 歩いて言った先には、本当にあの石段があったのです。 それも、全く崩れてなどおらず、綺麗なままの石段がかなり上まで続いていました。  登る間、両脇は林に囲まれているというのに鳥の声や木々のざわめきも何処か遠くに聞こえ、さっきの影の気配さえ完全に消えていました。曇りのせいだったのかもしれませんが、私には薄暗く感じました。 そして、ついに階段を登り切った時、視界がぱっと明るくなりました。  そこは、砂利の敷き詰められた拓けた土地でした。 小さめの一軒家ならば楽々と建てられる程の広さの土地です。 その土地に、私の背丈よりもずっと大きい岩が幾つか転がっていました。 砂利のせいとは思えないほどにその丸い土地の中には草一本生えておらず、ただ、どちらを向いても岩が転がっているばかりでした。 みんな不思議そうにあたりの石を見回っていましたが、私はもう泣き疲れてそんな気分にはなりませんでした。 恐ろしいものが出てこなくて安心していた反面、その無機質さと、変わらず続く静けさにここは何かがおかしいと思っていました。 「ねぇ見て、この岩」 お姉さんが一際大きい岩を指差して言いました。 「よく見ると何か書いてある」 皆が寄っていくのにつられて私も覗き込むと、そこにあったのは文字でした。 岩に一面びっしりと何かが彫ってあるのです。平仮名でもなく漢字でもない。私が子供だからという理由で読めない訳ではないのだと、すぐに分かりました。  そしてその瞬間、足元からすごい勢いで寒気が登ってきました。一度登ってきた寒気はぞわぞわと全身を這い回り、私は何かがいることに気がつきました。 指先が冷たく冷えていくのが分かりました。 正面を見つめたまま硬直した私をみんなが見ています。 その時の私の様子があまりにも普通でなかったのでしょう。どうしたの、と声をかけるみんなの声と表情が強張っているのを覚えています。 私は恐る恐る、下を見ました。 私の足元、正面の岩の下に見えたのは、手でした。それも無数の、手です。 石の下で微かに痙攣している手や、砂利を掻き毟る手、ずたぼろになって血を流す手、そのどれもが苦

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  • 凄く怖かったです。でも話良かったです。
    すみっコぐらし
  • はい、私も結局あの場所に呼ばれたからと言って何をしたわけでもないですし、本当に目的はなんだったのでしょうね。
    かねのい
  • 怖いですね。呼ばれてる感じがしました。相手のあの場所へ誘導した目的が気になりますね
    Nanoarchaeum
  • 読んで頂き、ありがとうございます。 そうですよね。いっそ何も見えず知りもしなければ、と思いますね。
    かねのい
  • 興味深い話でした。私は不可解な現象をたまに経験するのですが、力があるわけではないので理由もわかりません。何もない方が幸せだとつくづく思います!
    匿名
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