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短編

歩き回る人

ひろ 2019年7月26日
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数年前に友人Kと地方に旅行に行った時の話です。 私たちは行き当たりばったりでの旅をよくしていました。 この時は新潟から日本海沿いに北陸まで回る旅でした。 新潟県内のとある場所で泊まった宿は、安いロッジタイプの宿でした。 スキーシーズンではにぎわうこの場所も、オフシーズンは本当に死んだように閑散殺伐としており、商店や飲食店も全て開いていません。 町全体が真っ暗で、私たちの泊まる宿も他に客はいませんでした。 宿は中年の男性主人が一人だけおり、私たちの受付を済ませるとさっさと奥の方へ入って行ってしまいました。 建物も年季がはいっており、照明は薄暗く、黴臭い。 私たちは古くても汚くてもあまり気にしない性格だったので、 「まあ、安いからね」 といった感じでした。 部屋は廊下とドア一枚で隔たれているだけの簡素な造りでした。 二人とも疲れていたのですぐに横になりましたが、 なぜか私は一向に眠れなかったのです。 友人Kが鼾をかき始めても、私は寝付けませんでした。 何か嫌な感じになってきたな・・・・ そんな風に感じていました。 そんなときです。廊下から、 ミシ、ミシ・・・ と、人が歩く音のようなものが聞こえたのです。 他に客もいないはずなのにおかしいな。さっきの受付のおっちゃんかな。 そんな風に思って、廊下と部屋のドアの隙間に何気なく目をやりました。 ドアと床の下に1~2センチほどの隙間があり、そこから廊下の明かりが漏れていました。 そのとき、歩く影が漏れる明かりの中を横切ったのです。 一瞬ゾッとしましたが、 いや待て。受付のおっちゃんだよ。何かこっちに用があっただけだ。 しかし、その影は、何度も何度も私たちの部屋の前を行ったり来たりするのです。 何度も何度も、私たちの部屋のドアの前だけを、行ったり来たり・・・・ ドアの下の隙間から漏れる明りの中を、影が何度も行ったり来たりしているのです。 私はもうドアのほうを見るのをやめました。 ミシ、ミシ、ミシ・・・・・ 音だけは嫌でも耳に入ってきますが、部屋の中には入ってこない様子でしたので、何とかやり過ごすことができました。 あれが霊だったとしても怖いし、受付のおっちゃんだったとしても怖いし。 そんな体験でした。

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