
あの夜、古い遊園地の廃墟で、友達と一緒にさっちゃんの話をしていた。さっちゃんは小さな女の子で、バナナが大好きだった。彼女はいつもその果物を食べていて、みんなで遊ぶときにも、どこに行くにもバナナを持っていた。だけど、彼女は病弱で、最近はバナナを半分しか食べられないと言っていた。
友人たちはその話を聞いて、さみしそうな表情を浮かべた。「さっちゃんが遠くへ行っちゃうって本当かな。」みんなが心配している中、僕の心には不安が広がっていった。さっちゃんがこのまま元気をなくして、どこかに行ってしまうのではないかと。
その時、ふと目に入ったのは、遊園地の遊具の隅に置かれた腐ったバナナだった。薄暗いライトの下で、見た目も悪く、臭いもひどかった。友達がそれを見て、笑いながら「さっちゃんが食べたら、こんなことになるよね」と言った。その言葉が心に引っかかった。
その後、さっちゃんが本当に病院に運ばれた。みんなは彼女のことを心配し、毎日お見舞いに行った。しかし、彼女の様子は日に日に悪化していった。医者は「バナナしか食べられない状態じゃ、持たないかもしれない」と言った。僕はその言葉に愕然とした。さっちゃんが本当にあの世に行ってしまうのではないかと、恐れが胸を締め付けた。
ある晩、さっちゃんの友達の一人が夢を見た。「さっちゃんが笑いながら、バナナを持ってこっちに来る夢。だけど、彼女はすごく遠いところにいる。」友達はその夢を語り、みんなはその言葉に笑ったけれど、心の奥で何かが引っかかっていた。
数日後、さっちゃんは本当に亡くなった。最後に残した言葉は「バナナが食べたい」だった。葬儀の後、僕たちは遊園地に戻った。そこで、あの腐ったバナナが無くなっていた。代わりに、さっちゃんが好きだったバナナの香りが漂っていた。まるで彼女がそこにいるかのように。
その瞬間、僕は思った。さっちゃんは忘れてしまうことはない。彼女はいつでも僕たちのそばにいる。だけど、腐ったバナナのように、見えない形で僕たちの心を蝕んでいるのかもしれないと。
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