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長編

口に出せない…

えい 2018年12月11日
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一昨年のそろそろ 梅雨入りかと…思える様な天気が続いたある日の事。 自宅で友人と用事を済ませていると 遊んで~という様に 飼い猫のマー( ♂ )が足にすり寄って来ました。 忙しいから後でね と 頭を数回撫でてやると 私の顔をジーッと見た後 キャットタワーに飛び乗って 窓の方を向いて座り 外を眺めていました。 私達は雑用を済ませた後 キャットタワーの方を見ると マーは 眠っている様で 丸まって顔を隠す様に両手で顔を覆っていました。 その仕草を見た友人も私も 二人してスマホを取り出すと マーの眠っている写真を撮りました。( 猫バカですみません…。) 数枚撮って 写真を確認していると 友人が 「あれっ?」と言って 写真に写るマーの頭上 左斜め上辺りを 拡大して ヒッ と短い悲鳴を上げました。 どうしたの?と私が聞くと 友人は黙ってスマホを渡して来たので 友人が撮ったマーの写真を見ると 何かの青白い指が マーを指差していました。 それは うっすらと 指の形状をしていて 一目で指だと分かるモノでした。何故か爪だけは異様に青白くハッキリと写ってました。 友人は気味が悪いと言って写真を削除したのですが… 数枚撮って さっき確認したはずの他の写真の全てに その何かの指が写っていたのです。 友人は全ての写真を削除して マーが起きてから さっきの出来事を忘れたいと思ったのか? マーが飽きるまで遊んでいました。 そんな出来事が薄れて行く中で マーの体調が悪くなりました。 オシッコが出なくなったのです。直ぐに 掛かり付けの動物病院に マーを連れて行くと 急性腎不全と診断されました。 直ぐに処置をして貰い お薬も頂だいて 帰宅途中 ゲージに入れていた マーが突然 茶色い チョコレート色の物を吐き 車を脇に止め ゲージ開けると マーはゲージから飛び出しフラフラと歩き 助手席に座ると 丸まってしまいました。 獣医師に茶色い吐物を吐くかもしれないからと言われていたので 毒素が身体中に回ってしまっているのだと 思える事ができ パニックにならずに済みました。 それから 1ヶ月が過ぎようとしていた頃 マーは元気に回復したので あの気味の悪い指は 病気を知らせる為に 写り込んだモノだったのでは?と 半信半疑な気持ちでいました。 あの 写真が撮れるまでは……。 マーが回復して友人もホッとして 本当に喜んでいました。自分が撮った写真に あんなモノが写り込んだから 気が気じゃなかったと…。 しかし…あれは あの指は……。 分かっていたんです。でも…良い方へ考えを持っていれば 或いは…勝つのでは無いかと…。 邪念を漂わせていた あの指をどうにかして 祓えないかと 色々と試してみたものの 状況は変わらず…。 元気に走り回っていたマーの姿を何枚も何枚も撮りスマホの中に保存しました。 友人もそんな私の姿を見ていて 察したのかも知れません。 もう……どうしようも無いのだと………。 その指の主は そんな私の心中を見透かした様に思えました。 最後の最期に撮れた。とても凛々しい顔のマー。 その首に掛かる白く細長くとても禍々しい 一本の刃。 私が最後に撮った写真。 翌日……あんなに元気だったマーは虹の橋へ旅立ちました。 その悲しみも癒えぬまま……。 まるで 嘲笑うかの様に 撮られた写真。 それは 知人が仲の良い友達2人と3人で K県に旅行に行った時に ある有名な寺院の中にある とある建物の前で 通りがかった人に 撮って貰った写真。 3人並んだ 左端の子の身長が少し高めで 不自然に曲げられた首…。 そして……青白く不気味に光る指と鋭い刃。 それはマーの時に写り込んだモノと同じモノでした。 不安になりながら 旅行から帰って直ぐ 私の元へ来た 知人と青ざめ引きつった顔の2人と会う事になりました。 しきりに 写真に写り込んだモノは何か?という質問攻めに 掛ける言葉は見付かりませんでした。 尚も食い下がる彼女達に 私が告げる事が出来たのは 唯一 良くないモノだけでした。 知人は先のマーの事を知っていたので 私に目配せし 私は軽く頷きました。 何とか出来ないか?と問う彼女達に やれるだけの事はやってみます。とだけ答え その日 知人以外の彼女達は 家に帰しました。 知人は 神妙な顔をして 私に一言…。 知 「死に神的なもの?」 私 「そうだね。今の私では力不足だね…。」 知 「なんとか成らないの?」 私 「う…ん。仕方無い…呼びたく無いけど…あのバカに連絡してみるか…。」 知 「バカ? 誰 ?」 私 「私がバカって言うのは 一人しかいないよ。」 知 「紫光さん?」 私 「バカで分かるって…あんたも凄いね。」 知 「大丈夫なの?」 私 「何が?」 知 「いやぁ何とか出来るのかな?って …。」 私 「分からない。でも…マーみたいな事は…避けたいって気持ちかな?」 知 「そっ…かぁ。」 私 「うん…今の私じゃ…ダメだからさぁ…。」 そんな会話を続け 知人は帰り 残された私は 紫光に連絡を入れ 事の詳細を話すと 「まぁた面倒なもんに 関わってバカか?」と言った後 「聞いちまったんだから しょうがねぇ 行ってやるよ。けど…最悪を想定しとけよ?やるだけはやってみるけどよぉ…あんま期待すんなよ。お前にも分かってんだろ?」 有り難うと言って電話を切った。 そう……私達にだって どうしようもない事がたくさんある。 それでも どうにかしてあげたいと思う気持ちだけで 動こうとすれば……此方の身も危うくなる。 今までにだって たくさんの人達と関わって来たけど この手の内容の物は 一例を除いては 助けられる確率は非常に少ない。 こういった物の相談を受ける時は 正直気が重かった。 一例と言っても あれで本当に依頼主が良かったと思えるのか?と自問自答を未だに繰り返しているが 私にとっては 最悪の事…。 自らを責め 何も出来なくなった私を 立ち上がらせてくれたのは 紫光だった。 だから もしかしたら……と。 今は 期待はしない。だけど事が始まったら…身を削ってでもという 気持ちでいました。 後日 知人に連絡を入れ あの時の彼女達2人を私の家に連れて来て貰いました。 その時の彼女達は 考え過ぎたかの様な窶れた姿をしていました。 問題の彼女(S)を部屋の中央に座らせ 一緒に旅行に行ったもう1人の彼女(T)と知人をSさんの後ろに座らせました。 深い深呼吸をしてから私は Sさんに向き合う様に 真正面に座ると Sさんに話し掛けました。 私 「今から Sさんの写真に写っていたモノと和解を試みます。Sさんは 自身の気をしっかり持って しっかりと力強く 生きたいと思っていて下さい。何があっても その気持ちだけは 諦めないで下さい。」 そう言うと 俯いていた顔を上げ 生きたい 生きていたいとしっかりとした目が 私の目を見ていました。 私 「Tさんと知人もSさんを失いたくないし 自分達もSさんと一緒に生きていたいと強く心に思っていて… いい?」 後ろに視線を走らせながら そう言うと 2人共 力強く頷きました。 私 「今から 数人の人が この部屋に入って来ますが Sさんは あの赤い印がある場所を見ていて 決して目をそらさないで。 後ろの2人も彼処の赤い印を見ていて 決して目をそらさないで いい?」 3人の視線が 赤い印を見つめ俯いた時 襖を開け紫光と数人の助手と私の使いが 部屋の中に入りました。 部屋の4角に1人ずつ座り。私は Sさんに背を向ける様に座り 紫光は私の前に立ち 私の使いの者 2人はTさんの隣と知人の隣に座りました。そして それは始まった。 内容は お話する事はできませんが… 一週間程 私の生気が抜けかけ少し危なかったらいですが……何とか生きてました。 そして SさんとTさん 知人に 降りかかっていた最悪は無くなりました。 あの後 何度も写真を撮ってみた様でしたが あの時の様な写真は 撮れないとの事でした。 最後に…。 アレが何であったのかも お知らせ出来ませんが… 例え 分かる方がいたとしても 口に( コメント )しないで下さいね。 [ 本当に 分かる人なら 口にするのも………って感じでしょうから…。 ] 紫光が 一週間 私の面倒を見ていた時 猫の声と 部屋のアチコチを飛び回る様な 鈴の音を聞いた……と言っていました。

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