
(「高速道路を飛ばし、いざ東京へ」の続き)
・・・
翌日、桜子は古川の会社に案内されることになった。
桜子も就活生のように綺麗なスーツに身を固め、長い髪は頭の上で髪留めでまとめていたが、首元のチョーカーはそのままだった。
大村の運転する車に乗り、都内のビル群を走る。
そして車はビルの駐車場へ。
そこは古川財閥の中核である古川トランスポート(株)の本社ビルだった。
高級なエレベーターに乗り、上層階へ。
そして12階に着くと
「お待ちしておりました。古川匠様。」
秘書をはじめ社員一同が、匠の前では立ち止まり深々と頭を下げる。
桜子はそれを見て、匠の力に改めて驚いた。
そして会議室に案内される3人。
匠は勿論、大村や桜子も上座に座る。
大村は一見ぶっきらぼうに見えても、古川の相棒を務めているように会社では割と偉い人のようだ。
そして役員が集まり会合が始まった。
匠の簡単な挨拶のあと、
「ところで、そちらの女性はどちら様ですか?」
役員たちの視線ははじめから桜子に集まっていた。
桜子は何を言われるかドキドキしていたが、
「彼女は僕の友人です。」
意外な顔をする役員たち。
「どうしてこちらに?」
「彼女に僕の会社を紹介しに来ただけです。いけませんか?」
「勿論、滅相もございませんが。」
本来なら、匠の婚約者でも恋人でもない桜子はこの場に来ることは考えられないことだった。
それでも匠には逆らえず、ただの友人の女性であってもここに連れてくるからには何か意味があるのだろうと考える役員たちだった。
会合のあと、匠と桜子は秘書に案内されて社内を回る。
エレベーターで桜子は匠に小声で
「あれで良かったの?」
「勿論です。」
古川は端的に言った。
そして社内の至る所を案内された。
古川トランスポートの社屋は複数のビルから成り、系列の会社も含めかなりの規模だった。
そのトップの御曹司が傍らにいることが今でも信じられない桜子だった。
そして夕方になると、マンションに戻って来る3人。
「やっぱりすごいね!楽しかった!」
桜子がニコニコと喜び匠も嬉しそうにしていた。
・・・
次の日。
桜子は匠とともにマンション出て、小綺麗な都会の道を歩いていた。
大村は仕事があるのか何処かに行き、桜子と匠は歩いて行くことになった。
桜子は買って貰ったばかりのベージュの可愛らしいワンピースを着て、匠と手を繋いで歩いた。
知らない土地でも、桜子は匠の暖かい手に安心感を感じた。
そして最寄りの地下鉄の駅に入って行く。
2人は浅草に向かった。
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