
長編
カズ兄ちゃんとの悲しいお別れ
けいすけ 3日前
chat_bubble 1
19,037 views
んは居なかった。
「そっか、カズ兄ちゃんは栞の所に会いに行ったんだね。酷いよね。栞も嫌なことばかりで辛いだろうけど、自分で命を捨てる真似はするな‼お姉ちゃんより先に死ぬな‼これは約束だよ。」
…姉も泣いていた。
私も涙が出てきた。
実は、カズ兄ちゃんは色々悩みがあって自ら命を絶ってしまった。
でも、大人になって色々な世界をみたり嫌な目にあって死にたくなったりもしたけど…出来なかった。
「どんなに辛くても…自殺だけはするな。兄ちゃんは笑った顔の栞が大好きなんだよ。お前だけは…俺と同じ事はするな‼今は辛くても後に幸せになれるから。優しさと誰かを思う気持ちは忘れるな。」
…人生で一番辛いときにカズ兄ちゃんは背中を押してくれた。
「多分閻魔様とご先祖様達にこっぴどく説教食らったわね。かなり後悔して反省したんだろうね。だからこそ…栞に同じ事をして欲しくなかったのね。」
…母は笑いながら言った。
因みに、最近になり聞いたことだが…。
母には朝擦れ違ったカズ兄ちゃんは既にこの世には居ないと気が付いたらしく、顔色が生気が無いことに気が付いた。
「仕事柄ね…わかるんだよ。」
と、悲しく母は笑う。
不思議な事に、赤ちゃんの頃の私を抱っこしてくれたり可愛がってくれた親戚の方々が亡くなると必ずお知らせが来る。
亡くなる前に予知的なモノでわかる場合もあるけど…結局は助けることは出来ない。
カズ兄ちゃんが亡くなった時だってそう。
「大好きだった人達が亡くなるのを黙ってみているのは確かにきついし辛い。どうすることも出来ない。でもね、おじちゃんやおばちゃんは栞の事が大好きだったんだよ。おじちゃんおばちゃんってなついて、お茶やお菓子を出してくれる所が可愛くて嬉しくて仕方なかったのかもね。親戚で集まると、お父さんとお母さんとばあちゃんは栞のそこを褒められるんだよ。栞は霊感がある子だから苦しいし辛いし悲しい思いもするけど、この子なら色々大事なことに気がついて後から産まれてくる孫や子供に沢山の大事なことを教えてくれる子だなと思ったから授けたんじゃないかな。」
…父の言葉に私は救われた。
私が産まれ持った霊感は命の重さを教えてくれる為に命の大切さを学ぶためにあるんだと気が付いた。
しかし…毎年、この時期になると大好きだったカズ兄ちゃんを思い出してやっぱり悲しくなる。
何で…小さい手なんだろう。
何で私の手は小さいのだろうと。
でも、とりあえずは
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(1件)
- とても感動ですね 泣けるたき