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長編

カズ兄ちゃんとの悲しいお別れ

けいすけ 3日前
怖い 643
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た遊ぼう。約束だからね。絶対だからね。ほら、もうお家入ってご飯食べて寝ないと明日病院に行って疲れてお兄ちゃんと遊べなくなるよ?」 「そうだよ…栞。嫌なら帰ろうね。」 「ハーイ!お兄ちゃんまた明日ね。」 寝るまで私は不安な気持ちが消えなかった。 そして、3月19日の朝が来た。 8時前のバスで私と母は出掛けた。 昨日の私の様子を見て心配してくれた祖父母と父がお小遣いを沢山くれた。 「良かったね。」 「お兄ちゃんやお姉ちゃん達にお土産一杯買えるね。でも、お母さん。また出掛けた時のために遣いたいから2000円だけ預かってくれる?」 「栞は偉いね。じゃあ、お母さんがちゃんと預かるからね。」 と、玄関先でそんな会話をしながらルンルン気分で出掛けた。 家を出て、隣の家の前を通るとカズ兄ちゃんがいた。 「あっ、カズ兄ちゃんおはよう‼お父さんとじいちゃんとばあちゃんがお小遣い一杯くれたよ‼帰ってきたらお菓子食べようね‼」 元気に手を振りながら私はカズ兄ちゃんに言った。 でも、カズ兄ちゃんは悲しい顔で微笑みながら頷くだけだった。 その時、普段は優しい母が厳しい口調で私を促しバス停へ向かった。 「お母さん、お兄ちゃん具合悪いのかな?」 「お仕事だったみたいだから忙しいんだよ。」 その時の私は納得はしたが、今思うと母が何故か険しい顔をしていた。 そして、何処か悲しい顔をしていた。 そんなこんなで病院へ着いて何時もの診察と検査が始まる。 この日は脳波の検査。 脳波の検査をした時は眠る状態で受けるのだが、夢を見たのはこの時が一回だけ。 その一回だけ見た夢は悲しい夢だった。 私は暗い空間にいて、カズ兄ちゃんが私に背中を向けて光りがさす道の方に歩いていく夢だった。 「カズ兄ちゃん、行かないで‼」 私は泣きながら叫ぶとカズ兄ちゃんは振り返り優しい笑顔で微笑んで、バイバイと手を振りながら光りの中に消えていく。 そんな夢だった。 目が覚めたら私は泣いていた。 担当医の先生は優しく笑いながら、涙をふいてくれた。 「怖い夢見たかな?大丈夫だよ。可愛い顔が台無しだよ。お母さん心配しちゃうよ。これ食べてね。」 先生はこっそりと飴をくれた。 私は嬉しくなり、気持ちが落ち着いたので待合室の母の元へ。 会計を終えるために順番を待っていたら、母の携帯がなる。 …この時、私と母は頭を傾げた。 だって…毎回病院に入るときは携帯の電源は落としていた。 「栞、病院

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  • とても感動ですね 泣ける
    たき
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