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思い出したくない過去
長編

思い出したくない過去

匿名 2016年6月18日
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長い文になるので、暇な方は見てください。 僕が住んでいる家は少し坂の多い団地内にあります。今回の話は、その団地にある雑木林で体験した話です。  僕の住んでいる団地は少し特殊で、西、東、そして南の位置にそれぞれ墓地があります。小さい頃からよく、そのあたりには友人のSとカブトムシ捕りに訪れていました。このSというのがかなり肝の座った奴で、どんな場所にでも躊躇する事なく突き進むような奴でした。  そしてあの日も僕とSは朝早くから山に入り、虫を探していました。 この日は珍しく、どのポイントにも虫がおらず内心僕等はかなりの苛立ちを覚えていました。その時Sが、 S「なぁ俺、今夜西の墓地にいかん?」 と切り出してきました。 僕等子供の間でも、西の墓地といえば昼でも暗いため疎遠な場所となっていました。 ましてや夜に行くなどもってのほか、僕は必死で断りました。 しかしSがあまりにもしつこかったので、僕は渋々行く事にしました。 まぁ、一度入ってみたいという好奇心もあったのですが…。 しかし、これが間違いでした。僕はあの時に無理にでもとめておくべきだったのです。  そしてその日の夜、僕は親に友達の家に泊まると偽りSと西の墓地に行きました。 入り口に着くと何か重たい空気が充満しており、さすがのSも戸惑っている様子でした。しかしここまで来て引き返すわけにもいかず、 S「エロ本でも落ちとらんやろか?w」 僕「いやいや、エロ本はお前ん家に腐るほどあるやないかw」 S「そーやなw」 なんてくだらない事を言いながら、僕等は中に歩みを進めていきました。   その後も僕等は得意の下ネタを織り込んだ会話をしながら、墓地を横目に山の奥へと進んでいきました。そしてポイントに着きすぐ僕等はその場の異様さに気づきました。それまで虫の鳴き声(バッタ?)がうるさいほどしていたのにある地点を境にピタリとそのおとがやんでいたのです。 僕「おいS、虫どころか木もないぞ」 S「やなwちょいがっかりやけどおくがどうなってるかしれただけでも…あ」 今まで陽気に話していたSがいきなり前を指差し固まったのです。 私もSのみている方向を見て息を呑みました。  そこには、五寸釘がびっしりと打ち込まれたワラ人形が一つ…イヤ無数に存在していました。 僕「Sはよ帰ろ。やっぱおかしいて」 S「お、おぅ。用も済んだしそろそろ引き上げるか」 そうして僕等は踵を返し入り口のある方に体を向けました。 …そこにあいつはいました。白い袴のようなものに身を包み、頭にはろうそくを2本、そして手には斧と猫の死骸を握っていました。そいつとの距離は直線にして約10メートル。 向こうは明らかにこちらに気付いており、体を左右に揺らしながら何かブツブツとつぶやいていました。僕等はそれが入り口にいる事で身動きが取れずただその場に立ちすくんでいました。その時Sが S「おい俺、後ろに向かってせーのではしるぞ!」 僕「え、でもこれってどこにつながってんの?」 S「そんなの知らん。知らんけどどう考えてもあいつやばい。捕まったら何されるかわからんやろ?」 僕「そやけど、大丈夫かな?」 S「今は逃げる事が最優先やろ?安全かどうかはその次に考えよ」 Sの真剣な顔を見て僕も覚悟を決めました。こうなったらとことん逃げてやる!もし捕まってもこいつとなら倒せる!その時僕は本当にこんな事を考えていました。  そしてSが小さく、 S「行くぞ…」 と言ったのを合図に僕等は一斉に走り出しました。二人ともバスケットボールをやっていたので足には自信がありました。 Sも僕の方を見て余裕の表情を浮かべています。しかし次の瞬間Sの顔が苦痛の表情に変わり、倒れました。 僕は何が起こったのかわからず、立ち止まりました。地面にSがもがいている、そのSの背中にはあの女の斧が…。そぅあいつは僕等めがけて斧を投げ運悪くそれがSに命中したのです。 僕「S‼︎」 僕はSに向かって走り出そうとしました。しかしできませんでした。 なぜならあいつが、あの女がSの胸ぐらを掴み恐ろしいほどの力でSを持ち上げていたから。 女は血走った目でSの顔を覗き込みそして満面の笑みを浮かべました。今でもあの表情を思い出すだけで震えが止まりません。 Sは、力を振り絞り S「俺ー、逃げろ〜〜‼︎」 と僕に向かい叫びました。その瞬間あの女の表情が変わり、Sの背中に刺さっていた斧を抜き取ると、Sの左足を切り落としました。 S「ああああアァァァァァァーー!」 Sが悲痛な叫び声をあげます。それに構わず女は続けてSの右足を切り落とします。またしても、悲鳴をあげるS。 そんな状況下でも僕は逃げる事もせず、ましてやSを助けるわけでもなくただその場で女の行為を眺めていました。 それを見たSは、 S「俺…、助け読んできてくれ」 と力なくそれでいて説得力のある語調で僕に話しかけてきました。 その瞬間僕は身体が軽くなり、斜面を一気に駆け下りました。その最中にもSの叫び声は絶えず僕の耳に入ってきました。  そのあと僕は何とか家に帰り着き事情を説明しました。最初は冗談だろうといって聞き入れなかった親も、僕の切羽詰まった表情と態度でただ事ではないと悟ったようでした。そこからは、めまぐるしく事が進みました。 まず、団地内の男性が警察と揃って捜索に出かけ、子供は全員公民館に集められました。僕はというと、情けない事にSとあの女のことで疲弊してしまい3日間寝込んでしまいました。  ここからの話は、その後親から聞いた事です。 捜索に出かけた男性陣は西の墓地に入りすぐに異臭をかぎつけたそうです。そして匂いを元に散策をしていると見るも無残な形となったSを発見したそうです。その近くにはあの女のものとみられる斧も… 親は、「今回の事は忘れろ。凶器も見つかったから犯人も捕まるよ、安心しなさい」 と励ましてくれました。 でも、やはり親友を失ったショックからはなかなか脱する事ができず一時期僕は不登校となっていました。 今では普通に高校に通いそれなりに楽しくやっています。皆さんも興味本位で行動をしないように、またその行動が正しいか吟味した上で行動してください。 長文失礼しました。 ここまで見てくれた方へ 私がなぜこの事を書いたかしりたいですか? ではお教えしましょう。 それは、まだあの女が捕まっていないからです。 誰かから聞きでもしたのか?何か証拠があるのか? いえいえそんな事ではありません。 みたんです。あの女を… 相変わらずやってましたよ、丑の刻参り。 すんごい鬼の形相で、ニヤニヤしながら。 だから皆さんも気をつけてください。 世の中にはいろんな人がいますから。 (以上の話はフィクションですw)

後日談:

  • 以上の話はフィクションですw

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