
長編
向かい側の校舎
匿名 3日前
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A「じゃあ、お前この6年間であの校舎に行ったことがあるか?」
A君のその言葉を聞き、私は考えました。確かにこの6年間で一度もあの校舎に行ったことがなかったからです。
私「でも、電気ついてるから誰か居るって事でしょ?」
A「そうなんだけど、その【誰か】を見たことがあるか?」
私「見たことないけど、急になんで?」
A「ー。いや、不意にそう思ったから」
A君は何か言いたそうでした。
でも、私に気を遣ってかそれ以上は何も言ってきませんでした。
後日、A君は学校を休みました。その次の日もそのまた次の日も学校にはきませんでした。
次第に心配になってきた私は先生に聞きました
私「先生、A君最近どうしたのですか?」
先生「いや、お前は知らない方が良いというか・・・」
先生「お前、向かい側の校舎を知ってるな?」
私「はい?一応知ってますけど」
先生「そこに入ったか?」
私「いえ、入ってませんけど、A君ってまさかー⁉︎」
先生は何も言わず、目を閉じました。
そして、
先生「今日、先生達はあの校舎に行くから、お前は残らず帰れよ」
と言われました。
A君のこともあり、私は学校に残り向かい側の校舎をずっと見ていました。
しばらく時間が経ち、向かい側の校舎の電気がつきました。そして、その校舎に入って行く先生も居ました。
それから20分して、校舎から出てくる先生とその先生にしがみつくように怯えているA君も居ました。
A君はそのまま救急車に運ばれて、私もバレないように帰りました。
その日の翌日、私は学校が終わるといそいでA君のお見舞いに行きました。
病室につくとA君は起きていて、いつも通りの笑顔を見せてくれました。
私「A君が無事でよかった。あの校舎に行ったって聞いてたから。」
A「うん、ごめん。」
私「私、てっきりA君が死んでるんじゃないかってめっちゃ心配したんだよ?」
A「ごめん、本当にごめん」
私「さっきから謝ってばっかり、もういいよって笑」
A「違うんだ。」
A「僕はもうダメかもしれない。幽霊に殺されるかもしれない。」
私「え、どうしたの?何があったの⁉︎」
A「僕、興味本位であの校舎に入ったんだよ。そしたら四年生ぐらいの子が数人いて、手招きしてたんだよ。それに、誘われるように僕もその子たちのとこに行ったら急に手首をガッて掴まれたんだよ」
A君の声は震えていて今にでも泣きそうだった。
後日談:
- 今思うと、さっさと校舎潰しちゃえーって思い始めました。
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- 生徒が行けない校舎.....それだけでも怖いりこ
- こわいですね、、ブースター