
長編
ムシャクル様
匿名 5日前
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ましてや、Aさんの目の前の個室に、Aさんに気付かれずに入れるわけがない。
今までに体感したことのない奇妙さに、ドアノブをにらんだまま動けなくなった。その数秒のうちに、奥の個室のトイレットペーパーを引き出す音が、異常に長いことに気付いた。
紙を全て引き出そうとでもしているように、音は一向に途切れない。ごく普通の生活音であるはずのその音が、違和感を覚えた途端、おぞましい音に聞こえてきた。
混乱するAさんの耳に、誰も入っていないはずの、しかし、カギがかかっている目の前の個室の中から、隣と同じ、トーレットペーパーを引き出す音が聞こえてきた。
その音を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立った。なにがどう、とは説明できないが、他のいつでもない今、他のどこでもないここに、他のだれでもない自分が居ること自体に、絶望的なほどの恐怖を感じた。個室の中の「なにか」に気付かれたらおしまいだ、と思ったそうだ。
腰が砕けそうになるのをなんとかこらえつつ、音を立てないように細心の注意をはらいつつ、廊下とトイレとを隔てるドアにたどり着いた。ドアノブにかけた手に体重をかけ、なんとか身を支えているAさんの耳に、今度は廊下から奇妙な音が聞こえてきた。
ドアの外で、誰かが飛び跳ねている音がする。
しかも、飛び上がってから着地するまでの間隔が、異常に長い。Aさんが言うには、棒高跳びのような感じだったらしい。
直感的に、今外に出ると、ここに居るより怖いことが待っている、と感じた。外に出られず、しかしトイレの中になど絶対に居たくない。
どうしようもなくなったAさんの中で、なんの前触れもなく、突如感情が爆発した。ドアの外、廊下で飛び跳ねている「なにか」に対して、押さえようのない怒りと殺意を覚えた。
Aさんは何故か、この状況は、外に居る「なにか」のせいだと確信していた。外に居る「なにか」を殺さなければ、自分は死んでしまう。外に居る「なにか」を殺せば、自分は助かる。ならば、その「なにか」を殺すことに、なんの遠慮をすることがあるだろう。
ドアを蹴破るようにして開け、外に飛び出した。廊下に仁王立ちのまま、千切れんばかりに首を回し、八方を見回したが、殺せそうな生き物はなにも居ない。
次に、床に這いつくばり、ちいさな「なにか」を探した。が、なにも居ない。はじかれたように跳ね起きて、窓の外を見ても、鳥の一羽も居ない。
この時Aさん
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- >文才ない。 言葉選びのセンスなし。 同意。自意識過剰な学生さんが頑張って書いたという感じ。実際に学生さんなら年相応で良いと思いますが、そうでなければ稚拙です。匿名
- 文才ない。 言葉選びのセンスなし。shiiiita
- あ!これ私も知ってる!前に怖い話を集めた サイトに書いてありました。その地域の人と、 体験者しか知らないらしいです。そのムシャクル様は他所の地域から来た人しか襲わないらしいですよ。しゆか
- 凄いお話し(>_<;) でも面白かった! 文も読みやすかった♪ぴょん吉
- 北海道と中国地方に対する熱い風評被害N
- 作者も話も凄い!このサイト読んで来てよかった!当たりです!説明は細かい、話も良いのになぜか情景が目に浮かぶ話が少ないなか、まるで買った本を読んでるかの様です。どれもストレートで無駄な言い回しが一切ありません。鳥肌たちました!描写も本当に素晴らしい、そのおかげで恐怖感も倍増しました。また他の作品があれば期待しています!!きつね猫