
中学生の頃、俺は人をいじめる側だった。特に、弱そうな男子や、目立たない女子をターゲットにしていた。彼らの容姿や行動を笑いものにして、仲間と一緒になって楽しんでいた。今になって考えると、あの頃の自分が本当に嫌になる。もし今の自分の子どもが同じ目に遭ったら、どう思うのだろうか。
ある冬の夜、そんな過去を思い出しながら、俺は自分の部屋で過ごしていた。突然、玄関のチャイムが鳴った。居留守を使おうと思ったが、何か気になり、窓から外を覗くと、かつてのいじめられっ子が立っていた。彼は小さく震えながら、俺の家のドアの前で何かを言っている。親に助けを求めているのだろう。
俺はそのまま何もせず、様子を見ていた。母親が玄関に出て行くと、彼に向かってこう言った。「来るな、醜い子!二度と顔を見せるな!」
その言葉を聞いた瞬間、心に冷たいものが走った。母親の声が、まるで俺の心を否定するように響いた。彼は泣きそうな顔をしていたが、すぐに逃げて行った。その後、俺はその出来事を忘れようとしたが、心の奥底に引っかかっていた。
今でもその時の光景が目に焼き付いている。謝りたい気持ちが募る一方で、あの時の自分や母親の言葉が、彼にどれほどの傷を与えたのかを考えると胸が締め付けられる。彼に何も言えなかったこと、ただ見ているだけだった自分が許せない。あの夜の出来事は、今も俺の心に影を落とし続けている。何をしても、もう遅いのだと。どんなに謝っても、彼に傷を与えた事実は消えないのだから。彼の名前を思い出せないまま、俺はいつまでもその影と共に生きている。
自分にできることは何もないのだと、ただ受け入れるしかなかった。
そして、俺の心の中で、彼の影がいつまでも消えないことを知っている。
今でも、彼が幸せであることを願うばかりだ。
あの時の自分に、何を言えばいいのだろうか。何も答えられないまま、俺はただ静かに夜を見つめ続ける。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



