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中編
老婆の願い事
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老婆の願い事

2022年3月19日
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Kさんが小学生の時だというから、今から四十年くらい昔の話になる。

当時、Kさんが住んでいた東海地方の田舎町に、一人で小さな駄菓子屋を営んでいるおばあさんがいた。ここでは仮に、Yばあさんとしておく。

Yばあさんは、町のお寺を熱心に参拝していることで有名な人だった。よほどの悪天候の時を除いてほぼ毎日参拝し、手を合わせていた。

Yばあさんのお参りは、Kさんたち小学生の間でも知られていた。

ある時「あのおばあさんは何をそんなに熱心にお祈りしているんだろう」と話題になったことがあった。

世界平和を祈っているはずだとか、宝くじが当たりますようにと祈っているだけだとか、みんな好き勝手に予想していた、とKさんは振り返る。

そんなある日の夕方のこと。

Kさんは、お寺の境内で友人たちとかくれんぼをしていた。

賽銭箱の裏に身をひそめていると、誰かの気配が近付いて来た。オニかと思ってそっと様子を伺うと、そこにはYばあさんが立っていた。

(Yばあさん、今日もお参りか。本当に熱心なんだな……)

賽銭箱に小銭が投げ込まれ、その後で、願い事をつぶやくYばあさんの声がした。好奇心をそそられたKさんは、その声を盗み聞きした。

『……がやけますように』

Yばあさんはそう言っていた。

全部は聞きとれなかった。Yばあさんは繰り返し何事かをつぶやいている。Kさんは耳をすませて、もう一度よく聞いた。

『……がやけますように』

やはりそれだけしか聞き取れなかった。何だか異国の言語のようにも感じた。

やがてYばあさんは、本堂に深々とお辞儀をして、静かに去って行った。

それから数日後のことだ。

町の民家で火事があり、そこの住人が一人亡くなった。

犠牲者はBさんという老人で、たびたび隣人とトラブルを起こしていた町の鼻つまみ者だった。

火事を伝える地元テレビ局のローカルニュースを見ていた時、Kさんはふと、胸のざわつきを覚えた。

「あの時、Yばあさんが祈っていた『がやけますように』という言葉。あれはもしかしたら『Bさんが焼けますように』と言っていたんじゃないかと思って……」

翌日、Kさんは学校帰りにYばあさんの駄菓子屋を訪ねた。

Yばあさんに変わった様子はなかった。いつものように笑顔で接客してくれる。

(こんないい人がそんな恐ろしいことを祈るはずないか)

Kさんは自分の突拍子もない想像を恥じながら、駄菓子屋を後にしようとした。

その時、Yばあさんがニコニコした表情のままKさんに近付いて来て、耳元でささやいた。

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