
昔、静かな町に古びた図書館がありました。そこには訪れる者も少なく、若い図書館員の真由美は、孤独な毎日を送っていました。ある冬の夜、彼女は図書館の奥で埃をかぶった古い書物を見つけました。表紙には『悪夢の記録』と書かれていました。
好奇心に駆られた真由美は、その本を開くことにしました。ページをめくると、内容は驚くべきものでした。そこには、かつてこの町に住んでいた者たちの恐ろしい夢が記されており、夢の中で彼らがどのようにして命を落としたかが詳細に描かれていたのです。
その中には、悪夢の中で人々が恐怖に駆られ、何かに追われている描写がありました。真由美は、その中の一つに自分の名前を見つけました。心臓が高鳴り、冷や汗が流れました。彼女は本を閉じようとしましたが、何かに引き寄せられるように、またページをめくってしまいました。
すると、急に図書館の空気が変わり、薄暗い影が彼女の周りに迫ってきました。真由美は恐怖を感じながらも、目を離せずにいました。その時、友人の大輔がやって来て、彼女を心配しました。
「どうしたんだ、真由美?」
大輔は本を覗き込み、その内容に驚愕しました。「これは…悪いものだ。すぐに閉じよう。」
しかし、真由美は不思議な感情に囚われ、本を手放すことができませんでした。彼女はそのまま読み続け、ページをめくるたびに、夢の中の恐怖が現実となっていくような感覚に襲われました。
その夜、真由美は悪夢にうなされました。夢の中で、彼女は自分の目の前に現れた影に追いかけられ、逃げ惑う姿を見ました。どこかで聞いたことのある声が耳元でささやきました。「戻れ、戻れ…」
翌朝、真由美は目を覚まし、自分の手を見つめました。手には、昨晩の夢の中で触れたはずの血のようなものがべっとりとついていました。恐怖に駆られた彼女は大輔に助けを求めましたが、彼は既に行方不明でした。
真由美は図書館に戻り、本を再度手に取りました。そこには、最後のページに彼女の運命が記されていました。彼女は本を閉じ、角笛のような音が図書館の中で響き渡るのを聞きました。その瞬間、彼女の視界が暗転しました。
図書館の外では、町の人々が真由美の姿を探していました。彼女の存在は次第に忘れ去られ、人々は噂をすることさえなくなりました。そして冬の夜になると、図書館から奇妙な囁きの音が聞こえてくるようになったのです。
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