
短編
点滅する赤いランプ
匿名 2日前
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俺が、高校生のときの話。
勉強合宿で山の中にある町の古い宿舎に泊まった。
宿舎は、3階建ての木造で、畳の部屋や台所などもあり、どちらかというとアパートみたいな感じだった。
夜になると、友達の部屋を行き来したりしていた。
3階の端っこの友達の部屋に行ったときである。
部屋に入ったときは、特に何も感じなかった。
友達何人かでカードゲームをしていたときのこと。
ふと、トイレに行きたくなり俺は一人でトイレに向かった。
友達の部屋は、台所の横に狭い通路がありその先にトイレがあった。
狭い通路をトイレに向かって歩く途中、俺は違和感を感じた。
トイレに行くまでの途中になぜか小さな窓があるのだが、その外が赤く点滅していた。
窓は曇りガラスになっていてよく見えないが、窓が赤くなったり暗闇になったりする様子から赤いランプか何かが窓の外にあることが想像できた。
俺はなぜか、その赤い窓が不気味に感じ、友達の部屋のトイレには入らず、自分の部屋のトイレで済ませてきた。
友達の部屋に戻って見ると、やはり通路の赤いランプは点滅していて、部屋が暗いために余計目立っていた。
俺はそのランプがどんなもので、何のためのものなのか気になったが、とても窓を開けて実物を見る勇気はなかった。
部屋に戻ると、その部屋の友達が
「なあ、お前の部屋のトイレ、貸してくんねえか?」
「あ、俺もいいか?」
と口を合わせるように言われた。友達は
「理由はないけど、ちょっとな・・」
理由は誰も言わないし、誰も聞きたくもない様子だった。
翌日、朝になると友達の部屋の小窓の赤い光はなくなっていた。だからといって、窓を開けてみる勇気もなかったが。
宿舎を出発するときに建物を見ると、その建物の横には古い旅館のような建物があった。
見た感じ何十年も前に廃業になったような感じだった。
俺たちの泊まった宿舎のすぐ横に旅館があり、隙間はほとんどなかった。
夜にあの部屋の窓から見えた赤い光がそもそも何なのか、分からずじまいだった。
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