
短編
中庭から
匿名 2日前
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今から25年くらい前の夏の夜。
いつもはみんな二階で寝てるんだけどその日は異常に暑い夜で、中庭と出入りが出来る大きな窓がある風通しが良い一階のリビングで両親と妹と僕の4人で川の字になって寝たんだ。
どれくらい経ったのか僕は目を覚ました。
僕以外の3人は寝ていて妹は寝相が悪く、体は逆を向いていた。
寝ながらそんな妹を見ているとある事に気付いた。
中庭の大きな窓が寝ている足側にあって、その窓のに全身鏡が釘とヒモでぶら下げられているんだけど、その全身鏡の後ろに黒い人影らしき物体がじっとしているんだ。
僕はびっくりして父親を蹴って起こそうしたんだけど全然起きない。
怖くなって僕は寝たふりをしたんだけど知らない間に寝てしまっていた。
また目が覚めて全身鏡の方を見てみると、全身鏡がのれんのように手で退けられ黒い人影が手で鏡を退けたままじっとこちらを見て立っていた。
僕はめちゃくちゃ怖くて父親を起こそうと力強く足で蹴るんだけど全然反応がない。
母親も起きる気配が全くない。妹を見てみるとその黒い人影の方に少しづつ移動しているのに気付いた。
僕はいけない!と思い、妹を力強くこっちへ引き寄せようと引っ張るんだけど妹はどんどん黒い人影の方に引き寄せられるかのように行こうとする。
僕はそれでもいけない!と思い妹をこっちへ引き寄せるのをやめなかった。
気付いたら眠っていて次に目が覚めたときは朝だった。
両親に昨夜あったことを話したんだけど信じてくれるはずもなく、中庭は外からは入れない構造になっているのでもし中庭から人が入ってくるとしたら中庭ある古い納屋しかない。
父親が納屋を調べたけど何もいなかった。
あれは一体なんだったのか。
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- QPさんの愛情勝ちです。何気ない日常にあちらな方が、たまにやって来て悪さを……妹さん命があって良かった。匿名