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長編

マネキン

匿名 2時間前
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には思い出せません。 しかしとにかく、学校の帰り、家が全然別の方向なのにもかかわらず、 私とS子は何かの用事でF美の家に寄ったのでした。 彼女の家は正直古さの目立つ平屋で、 木造の壁板は反り返り、庭はほとんどなく、隣家との間が50センチもないような狭苦しい場所にありました。 私はちょっと驚きましたが、おばあちゃんの家も年季は入っていますし、家計が苦しいのはしょうがないだろうと思って、 自分を恥ずかしく思いました。 「おかあさん」 F美が呼ぶと、少ししわは目立つものの奥からにこやかな顔をした綺麗なおばさんが出てきて、 私とS子に、こちらが恐縮するほどの深々としたおじぎをしました。 洗濯物をとりこんでいたらしく、手にタオルや下着を下げていました。 「お飲み物もっていってあげる」 随分と楽しそうに言うのは、家に遊びに来る娘の友達が少ないからかもしれないと、私は思いました。 実際にF美も「家にはあんまり人は呼ばない」と言ってましたから。 もしF美の部屋があんまり女の子らしくなくても驚くまいと、私は自分に命じました。 そんなことで優越感を持ってしまうのは嫌だったからです。 しかし、彼女の部屋の戸が開いたとき目に飛び込んできたのは、予想もつかないものでした。 F美が綺麗だということはお話ししましたが、そのぶんやはりお洒落には気を使っているということです。 明るい色のカーテンが下がり、机の上にぬいぐるみが座っているなど、予想以上に女の子らしい部屋でした。 たった一点を除いては。 部屋の隅に立っていて、こっちを見ていたもの。 マネキン。 それは間違いなく男のマネキンでした。 その姿は今でも忘れられません。 両手を曲げて縮め、Wの形にして、こちらをまっすぐ見つめているようでした。 マネキンの例にもれず、顔はとても整っているのですが、 そのぶんだけその視線がよけい生気のない、うつろなものに見えました。 マネキンは真っ赤なトレーナーを着て帽子を被っていました。 不謹慎ですが、さっきみたおばさんが身につけていたものよりよほど上等な物のように思えました。 「これ・・・」 S子と私は唖然としてF美を見ましたが、彼女は別段意外なふうでもなく、 マネキンに近寄ると、帽子の角度をちょっと触って調節しました。 その手つきを見ていて私は鳥肌が立ちました。 「かっこいいでしょう」 F美が言いまし

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  • 知ってる
    まい
  • 怖すぎる!!幽霊とかより怖い家族ですね。実際に見たら気絶しそうな光景ですね。
    うんこりん
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