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長編

姉とご先祖様VSパワハラ上司

けいすけ 2019年2月17日
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このお話は、前に投稿した実体験の改訂版のような形で投稿させていただきます。 とある休みの日に朝食後に珈琲を片手にテレビを見ていると、時たまニュースで目にするパワハラと言う単語。 その単語を耳にする度に思い出すのは…今から5年前の3月に体験した不思議なお話です。 私は17歳の冬から今の職場である駅前(県庁所在地にある私がすむ県内で一番大きな駅前中心部)のコンビニで現在も働いています。 面接をした方が若い男性で、当時の彼氏と同じくらいでした。 「笑顔がとても素敵ですね。」 …面接で上司に誉めて貰えて嬉しかった。 初めは…いや、今でも内心は人生の先輩として尊敬はしています。 しかし…私が仕事を覚えることが出来て、頼りないながらも一生懸命頑張ることが楽しいと思えてきてお客様や先輩方からも褒めてもらえることが多くなった辺りからです。 重箱の隅をつつくような小言やイチャモン、二人しか居ないときにレジが混み上司が事務室にこもり出てこないので品だしに出れない状況で品だしが出来ていない所を役立たずと罵られる…人格否定…発注を任されるようになるが、面倒臭そうに言葉少なく教えられる…私が打った発注の内容をわざとミスする数に打ち直してミスをした所を暴力混みで説教…胸ぐらを捕まれて机に腰をぶつけられて…上司の股間をぐいぐい押し付ける形で「こんな怖い大人みたこと無いだろう?なあ、給料泥棒女。俺は親子でヤクザだからお前が警察に行こうが訴えようが警察も労働基準局も動かないよ。俺が手をあげたこと黙っておけよ?言えばお前が帰り道に危険な目に遇うだけだ。2度目のレイプは嫌だよな?」 …脅しまがいの事も言われました。 極めつけは、タイムカードの理不尽な改ざん迄も。 休みを理不尽に潰されるなんて殆ど。 しかし…。 中学生時代に躓いて児童自立支援施設に入り色々学び強くなれた精神が武器になり、あまり気にしないでいた。 「俺のオヤジはヤクザ」「お前みたいに愛されて育ったやつがムカつく」…上司から言われた言葉で上司は親から本当の愛情をもらえなかったのか?と勘づく位冷静でした。 周りの先輩達は助けてはくれない。 幸い、家族には恵まれていたのでそれが救いでしたので自分の中で反省もしつつ上司のパワハラに対しては気にすることもなく月日は流れました。 しかし…。 そんな傍ら、動き出してくれた方々がいました。 パワハラが酷くなった頃に、姉が夢に出てきてくれました。 「ねえ、栞。明日からこの子を持って行きなさい。この子も栞が大好きだし、祖父様の想いも入っているから御守りになるわよ。私も心配だし気になることもあるから確かめたいの。てな訳で、明日から御姉様があんたの仕事ぶりを見てやろうじゃないの。」 …亡き祖父が買ってくれた私が一歳の頃から大切にしている小さな犬のぬいぐるみを指差して言いました。 「お姉ちゃんの言うことを聞いておきなさい。後でわかるから。…少し辛い思いをするかもしれないが、少々の辛抱だ。」 …祖父の真剣な表情に私は素直に従いました。 その時は何の事やらわかりませんでしたが、とりあえず鞄にぬいぐるみを忍ばせました。 (笑われるかも知れませんが、名前をつけているので以下モモちゃんと呼びます。妹です。) 最初の頃は家族に呆れながら怒られましたが…だんだん何も言わなくなりました。 その頃から、上司からパワハラを受けた日の夜には姉がノートになにやら書き込んでいる夢を見ました。 ノートを父方曾祖父母や父方母方祖父や母方曾祖父母や伯父や伯母に姉は見せていました。 その度に皆…悲しそうな悔しい表情をしていました。 パワハラを受けている場面をスクリーンのようなものに映像として写して見ている時の曾祖父母や祖父達の表情は…怒りの形相をしていました。 その頃から私はこれは可笑しいと気が付きましたが…絶対に負けまいと頑張っていました。 しょうもない事をする大人…尊敬できる面があるので別に恨むこともない。 人は少なからず善悪あるし根は悪い人ではない…パワハラ上司と分かっていても憎んではいませんでした。 上司自身も…精神的に辛いことがあるのだと思っていました。 面白くて優しい方だと思いますので。 しかし…。 5年前の3月初めに上司がインフルエンザになったにもかかわらず出勤して、部長に叱られるも…「俺はインフルエンザで熱が40度もあっても仕事に来たんだ。此れくらいで甘えるな‼だらだら動いてんじゃねえよ‼」…38度手前の熱を表示された体温計をみても見ない降りをして叱られました。 …上司が帰った後に先輩が涙目になりながら返してくれました。 「…栞、無理はするなよ。店長さんにお父さんが言ってやるから。」 …両親と祖母は何かを悟ったようでした。 次の日の仕事は…何とか職場には向かったものの、仕事をしている最中に体調が悪くなり熱のためか意識が朦朧として…ミスを連発。 熱を計ると…38度を越えていました。 即社員命令で帰宅。 電車はあるがバスが無く、タクシーは拾えず、両親に迎えを頼むも出先であるためやむ無く歩きで帰宅。 不思議な事に、電車の中で座り目を瞑ると…誰かに頭を撫でられ身体を抱き締められた感覚がありました。 冷たくて優しい手と包まれるような優しい温もりに抱き締められた瞬間に身体は少し楽になりました。 直感的に姉だと分かりました。 無事家に帰りつき、出先から両親と祖母が帰宅。 「やっぱり…。ま、ゆっくり休みなさい。」 「ごめんね、迎えにいけなくて‼明日は送り迎えするから‼」 「偉いね。でも、無理は駄目だよ。」 両親と祖母に心配されながら、お土産の苺を食べて布団へ。 その日の晩に、姉がノートの内容を泣きながらご先祖様方に訴えていました。 「私は許せません。コレが証拠です。栞は…こんな目に遇って傷付いても気持ちを切り替えて、小さな身体で傷付いても笑っていました。さぞかし、辛かったろうに。この子は優しくて強い子だからあえて自分に危害を加えるような人間でも相手にしないで受け流していました。けれど…それを履き違えて自らの憂さ晴らしの道具にする奴がいる。私は、この子の笑顔が大好きなんです。屈託のない…無邪気な笑顔が。この子の笑顔は見た人を明るくするんです。誰かを癒す事ができる力があるんです。そんな私の妹を傷付ける人間が許せません。私は妹を護れるなら悪魔になります。」 …何時も優しい表情で私を見ていてくれる姉とは違う。 怒りの表情でした。 「さすがはお姉さんだね。偉いぞ。」 「可愛い曾孫にこんなことを…よくも。」 「我が子孫に理不尽な…。」 「よくも、私の可愛い1人娘の大切な宝物を…私の大切な孫娘に酷いことを…。」 「こんなに嫌な目に遇って…何で家に来て言わなかった‼」 …夢の中で怒り狂うご先祖様方と姉上と父方母方両祖父母と両曾祖父母の表情と物凄い剣幕は今でも焼き付いています。 「辛かったね…。もう大丈夫だよ。」 目覚め前に姉に抱き締められながら言われました。 …この日から、ご先祖様方の快進撃が始まりました。 次の日、早退したことを嫌み交じりに咎めてきたパワハラ上司に姉が言い返してくれました。 「妹を殺すつもりか‼熱が出たのはお前のせいだ‼…あんた、覚悟しろよ‼許さないからね。」 …私は何を言ったか覚えていませんでした。 私の身体を借りて言い返す姉を意識として存在する私が見ている…上手く説明出来ない不思議な感覚になりました。 話を聞いていた社員さんと上司によると…怒鳴り付ける姉の姿が見えたそうです。 そして…3月半ばに見た夢では。 部長の自宅に向かい、寝室で眠る部長を囲むように立ちはだかる男性陣がいました。 …強面の伯父さんは、タクシー運転手時代をしていた若き日からかなりの実力者でした。 ヤクザ屋さんでさえも…伯父さんには敵いませんでした。 私の祖父と大叔父もそんな感じの人なので…。 母方祖父は対照的にキャラは違いますが…何と言うか、オーラが違いすぎて逆らえません。 温厚な人ですが…雰囲気で怒ります。 母方ご先祖様方は皆様そんな感じです。 優しい微笑みで怒りながら雰囲気だけで命を奪われる…そんな感じです。 そんな男性陣に囲まれて部長さんは何やら頷いていました。 「と…言うわけでお願いしますね。毎年、ご挨拶に伺います。孫が嫁入りするまでの約束ですから。」 「承知しました。」 …部長さんは優しい方なので申し訳ないです。 うちの祖父達が夜分遅くにスミマセン。 一方、女性陣は…後ろから羽交い締めにして引き摺り倒して正座させる形で後ろから怒りの形相で首を絞めて、上司の顔に薙刀を突き付ける曾祖母に良く似た年配で身分が高い女性が着るような着物を着た女性と曾祖母達。 そんな姿を眺める私に母方曾祖母は優しく頭を撫でてくれた。 「もう大丈夫だよ。この前、お仏壇にご挨拶に来た時にあんまり暗い表情だったから心配だったのよ。」 …母方曾祖母から姉に依頼が来たようです。 仕上げに、上司がバイクを運転中に姉が後ろからハンドルを握り、転ばせ…掌に怪我をして意識が朦朧とする上司に姉が留めの一言…。 「次は殺す」 …姉の恨みが籠った怒りの形相。 目が覚めてから恐さで震えていましたが、只の夢ではなくて上司は私が夢を見ていた晩に起こしたバイク事故の怪我を見せてきました。 …以上がパワハラ上司に下った怒りの鉄槌でした。 「今年は辛い思いをするかもしれないけど、今人生に起きる災厄を全部消化する時期だから。…ごめんね。辛いだろうけど、少しの辛抱だよ。栞のこれからの人生は幸せが沢山あるから。…私が護るから大丈夫だよ。」 …性犯罪にあった後に姉に言われた。 今は平和で暮らせている。

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