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中編

金縛り

匿名 2020年12月30日
怖い 144
怖くない 152
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私が小学生になった時の話をします。 私には5つ年上の姉がおり、小学生になった頃から1人部屋で寝る練習をしていました。 例にならって私も小学生になった時から1人部屋で寝る練習をするようになり、いつしか怖がりもせずに1人で寝れるようになっていました。 それから3ヶ月ほど経った頃、私は母に、それまで姉のおさがりを着ていたため、初めて青色のカーディガンを買ってもらいました。確か「すぐに大きくなるから」と少し大きめのものを買ってもらった記憶があります。 それはそれはとても嬉しくて、1人部屋の壁に画鋲を刺してハンガーにかけて飾っていました。 それと同時期に初めて金縛りを経験しました。 経験したことがある方はわかると思いますが、初めて金縛りにあった時ってとても怖いんですね。 私の金縛りには少し特徴がありまして、手足は動かない代わりに首は左右にのみ動かすことができるんです。 それを父に相談したところ、「パパは左手を思いっきり上に振り上げると金縛りが解けるからやってごらん」と話されました。 それから2日後、2回目の金縛りに合いました。 その時父から相談された事を実行してみたところ、私も簡単に解くことができました。その時は流石に父に感謝をしました。 それからさらに1週間が過ぎた頃でしょうか。その日は小学校の遠足で近くの公園に行き、初めて買ってもらったカーディガンを着て恥ずかしながらも友達に自慢していた記憶があります。 家に帰り、食事と風呂を済ませて、ジッパーを閉めたカーディガンをハンガーにかけて寝ました。 その日、3回目の金縛りを経験することとなります。前回同様左腕を振り上げると金縛りは解ける事を知っているにも、やはり小学生だったため、怖くて周りの確認をするために左右に首を動かしました。 すると、私のカーディガンを手に取る身長150-160cm程度(正確には覚えておりませんが)の顔も見たことのないおじいさんが目に写りました。 そのおじいさんはカーディガンを自慢げに取り、少し羽織りながら悪ガキのような顔をしていました。 それから視点を上に戻して左腕を振り上げるようとした瞬間、左腕だけすごい力で押さえつけられる感覚がありました。 その間10秒ほどでしょうか、足元に何かがいて、私の腕を掴んでいるんだろうことはわかりましたが、顔は前後には動かせないため、確認ができません。 足元からぐぐっと上に赤いものが近づいてき、それが真っ赤なワンピースを着た女の子だということがわかりました。私をニタニタ笑いながら左腕を掴んで話しません。 その女の子を先程のおじいさんが「わるいことしたらだめ」とでも言うようにひょいと持ち上げ、ゆっくりと消えていきました。 長期の休みになり、私は物心ついてから初めて岩手県にある祖母の家に両親と姉とともに遊びに行きました。確か雪が降っていたと思います。 祖母の家は祖母の父が建てた家のため、平家でとても古く、代々の祖先の写真から絵まで飾ってある部屋が一室あります。 そこで毎朝お参りをするのが祖母の日課だったようで、私もついていき、一緒にお参りをしました。すると、大きな紙に「命名ゆりっく(本当の名前)」と書かれていることに気づきました。それを見た祖母が教えてくれたのですが、私には私が生まれる直前に腎臓病で亡くなった祖父がいて、父と母と相談した上で祖父が名前をつけてくれたと。その上に飾っている写真が祖父の写真だよ。と教えてくれました。その写真を見ると、3回目の金縛りにあった時に見たおじいさんと同じ顔をしており、背丈も祖母から聞いたところ150センチ程度だとのことです。 私を助けてくれたのではないかととても感謝しています。

後日談:

  • 後日祖母に少し大きくなってから、金縛りの話をしたところ、「おじいちゃんは昔からすごくちょっかいを出すのが好きで、結婚する前からとても笑わせてもらった」と。また、私が物心つく前から岩手に帰ると夜中の4時になると走り回る音が聞こえるんだと話してくれました。4時は祖父がいつも仕事だった田んぼを見に行く時間帯で、それにもぴったり合うんだと。 今ではたまに岩手に1人で遊びに行きますが、未だに夜中になると走り回る音が聞こえます。

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