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中編

のんちゃん

匿名 3日前
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怖くない 132
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きしたことが無いと言われ、私は驚きました。 結構な頻度で公園に来ているその子が、ほぼ毎日私と遊んでいるはずの のんちゃんを知らないなんて、有り得ないのです。 その後他の子にも聞きましたが、誰ものんちゃんを知る人は居ませんでした。 薄々気づいていました。 のんちゃんは、他の子と違う。 生気が感じられない、とでも言いましょうか。 あの吸い込まれそうな程に黒々とした瞳は、何処か神秘的でもあり、触れてはいけない、踏み込んではいけない危うさを秘めている気がしたのです。 私以外誰ものんちゃんを知らないことがわかってから、私は少しのんちゃんに会うのが怖くなってしまいました。 しかし、その日以降のんちゃんは姿を見せなくなりました。 一方の私は恐れつつも、待っていたのです。 のんちゃんに、お別れを言っていませんでしたから。 のんちゃんに最後に会ったのは、1週間以上経ってからのことでした。 いつも通り公園に遊びに行くと、水飲み場の上に見慣れない黒猫が陣取っていました。 一目見た瞬間、その黒猫に吸い寄せられるように見入ってしまいます。 黒猫はとびきり黒々とした丸い目で、私を見つめました。 にゃあとも鳴かず、威嚇もせず、逃げもしません。 時を忘れて見つめ合うだけでした。 そうしてどれくらい経ったのでしょう。 黒猫は消えていました。 「ご飯だよ、帰ろう。」 迎えに来た母の声だけが聞こえます。 一瞬の事のような、永遠の事だったような気がしました。 化け猫なんて、もちろん信じていません。 幽霊を見たことは1度もありません。 怖い話は大好きですが、フィクションと割愛して楽しんでいる私です。 きっと夢だったのでしょう。 それでもたまに思い出すのです。 艶々とした黒髪や、黒々とした瞳で見つめられた時の恐ろしさ、そしてのんちゃんと過ごした数週間。 結んだ時にシロツメクサの茎が少し固かったことまでこと細やかに。 黒猫を見た時、分かりました。 あの子はのんちゃんだったのです。 そうに違いないのです。 バス停に向かう途中、高校の友達にポツリと打ち明けた話です。 私の人生の中で、たった一つの不思議な体験です。 のんちゃん。 大人になったら、大好きな猫を飼おうと考えています。

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  • ファンタジーだね。
  • 今思うと不思議と怖くはなく、ひたすら不思議な出来事です。以前はそこまで好きでも無かったのですが、何かの縁でしょうか。今では猫が大好きで、たまに野良猫が着いて来てくれます。 幼い私に気まぐれで遊び相手になってくれたのでしょうか。そうだとしたら、嬉しい思い出なのかも知れません。
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