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中編

のんちゃん

匿名 2日前
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高校三年生となった今も、ふとした瞬間に思い出すのです。 幼い頃に出会った彼女は、所謂友人なのでしょうか。 それとも、私が遭遇してしまった怪異なのでしょうか。 家の近くの団地に、春になるとシロツメクサが沢山咲く小さな公園があります。 昔、母は毎日のように幼い私をそこへ連れて行きました。 そうして、シロツメクサの指輪や花かんむりの作り方を教えてくれたのです。 ある日、私は一人の女の子と出会いました。 何故かその日だけは公園に少女以外誰もおらず、いつの間にか母の姿も消えていました。 私は不思議に思いながら、少女に顔を向けたのです。 クリクリと黒目の大きな子で、真っ黒な髪に、黒い長袖のワンピースを着ていました。 服の生地は薄めで春らしく、記憶の中の季節と一致しています。 私が先に「お母さん知らない?」と話掛けました。 正直なところ、少し不安だったのです。 「知らないよ。私と遊ぼうよ。」 鈴のなるような声でした。 少し人形じみた表情で、大きな黒目を爛々と輝かせています。 ちなみに、少女が瞬きをしていた記憶はありません。 会う度いつも目を見開いて、じっと私を見つめていました。 その時は少し迷いましたが、母が戻って来るまで暇つぶしになると考え、「良いよ。」と頷いたのです。 何をして遊んだかの記憶はうっすらとしかありませんが、一つだけ鮮明なことは、彼女にシロツメクサで指輪を作ってあげたことでした。 そして私が指輪を作っている間もやはり、彼女は大きな瞳で私を凝視していたのです。 彼女と出会った日以来、私たちは一緒に遊ぶようになりました。 しかし二人でいる時、周囲には必ず大人が居ません。 「のんちゃんって呼んで。」名前を尋ねるとそう言われたので、私は彼女をのんちゃんと呼びました。 そして不思議なことに、のんちゃんが帰ってしまった途端、母が不意に隣に現れ「帰ろう。」と私を呼ぶのでした。 私は帰った後に食卓で、家族にのんちゃんの話をしました。真っ黒で少し怖いこと。嫌いではないけれど、取り分け好きにもなれないこと。 母は不思議そうに聞いていて、話す度「今度会わせてね。」と言うのですが、結局それは叶わないままでした。 ある日、私は近所の親しい女の子にのんちゃんを知っているか聞きました。 その日のんちゃんの姿はなく、たまに公園に来ていたその子と遊んでいたのです。 「真っ黒なの?変なの。そんな子見たことないよ。」 見聞

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  • ファンタジーだね。
  • 今思うと不思議と怖くはなく、ひたすら不思議な出来事です。以前はそこまで好きでも無かったのですが、何かの縁でしょうか。今では猫が大好きで、たまに野良猫が着いて来てくれます。 幼い私に気まぐれで遊び相手になってくれたのでしょうか。そうだとしたら、嬉しい思い出なのかも知れません。
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