これは、以前勤めていた結婚式場の先輩スタッフから 聞いた本当にあったお話です。 その式場で結婚式を挙げる予定のあるカップルがいました。 打ち合わせ中も、新婦さんは本当に結婚式を楽しみにしていたそうです。 そして、二人の式はもう一週間後という時に、新郎から 一本の電話がプランナー宛にかかってきました。 新郎「すみません。一週間後の結婚式キャンセルにしたいんですが・・ キャンセル料は全額お支払いしますので。」 プランナー「どうされたんですか？！」 つい先日、プランナーとは最終の打ち合わせを終えたばかりで、 あまりにも突然のお話だったのでプランナーもびっくりしたそうです。 正直、業界の話になりますが、式の間近でキャンセルになることは、 たまにあります。その理由は、様々ですがだいたいがお二人もしくは、 ご家族との関係悪化に伴うものが多かったりしますので、とても良好な関係の 新郎新婦がまさか！！とプランナーも思ったようです。 新郎「実は。。。昨日、妻が交通事故で亡くなりまして。 だから、挙げたくても無理なんです！もう、キャンセルしますので。。 キャンセル料などのお話は、葬儀など一旦落ち着いたらまたご連絡します。」 そう言って新郎は電話を切りました。 次の日、担当のプランナーはお休みでした。 そこの式場は割と有名で年間1000件ほどの結婚式を扱っていた為、 前日のキャンセルなどの内容は、担当者と上司以外あまり知りません。 （問い合わせで調べて確認する感じです） そしてプランナーの事務所に一本の電話が鳴りました。 新人プランナー「お電話ありがとうございます。〇〇式場の〇〇です。」 「すみません！○月○日に結婚式を挙げる予定の〇〇両家の新婦（名前）ですが、キャンセルは取りやめてください！ 私、すっごい楽しみにしてたんです！！だから絶対結婚式挙げたいんです！！キャンセルなんてしません！！ 今事故で足を怪我しているんですけど、治ったら絶対挙げるのでキャンセルはしないでください！！！！」 新人プランナー「申し訳ありません。一度確認いたしますので少々お待ちください。」 （保留） 新人プランナーが昨日出社していた上司に事情を話すと、 上司「え・・・？！本当に新婦様からの電話なの？！ 本当に？？？？！！聞き間違えてない？！ だって、昨日新郎様から新婦さんは亡くなられたって聞いたわよ・・・」 新人プランナー「・・・・え？？！！・・・・・・」 慌てて受話器を取るとすでに電話は切れていました。 その後、担当のプランナーにも休日でしたが連絡をし、 稀に、新郎新婦の双方が納得していないままお互いからキャンセルするしないの連絡が くる事もあるので、念の為にプランナーから新郎宛に電話をしてもらいました。 プランナー「お忙しい中申し訳ありません。昨日ご連絡頂いた挙式キャンセルの件ですが。 先ほど、ご新婦様からこちらにお電話がありまして、足の怪我が治り次第挙式を挙げるからキャンセルは取りやめて欲しいとの事だったのですが。。。」 新郎「？！？！・・何を言っているんですか！！！！！怒 〇〇は亡くなって今葬儀とかの準備をしているんです！！！！！ そんなのあるわけないじゃないですか！！！！！！！ 不謹慎すぎます！妻は、亡くなったんです！！！！！！」 ブツ。ツーツーツー 新郎は、怒りと動揺を隠しきれない様子でそのまま電話を切りました。 「じゃあ、、、さっきの電話は誰だったの？・・・・」 きっと、本当に新郎との結婚式を楽しみにしていて、亡くなった新婦さんも まだ自分が亡くなった事に気付かないまま、その式を挙げたいという強い 気持ちがあのような電話で、必死にこちらに伝えてきたんでしょうね。