
中学生の頃、私たちは冬休みの帰り道、廃校に寄り道することになった。無邪気な好奇心から、そこでの探索を決めたのだ。校舎は老朽化しており、薄暗く、一歩踏み入れるごとに何かが潜んでいるような気配が漂っていた。
友達の一人が、「ここに昔の伝説があったらしいよ」と言った。興味をそそられ、私たちは笑いながら校舎の中へ進んでいった。教室に入ると、古びた机や椅子が無造作に置かれ、まるで誰かがここで待っていたかのようだった。私たちは机をひっくり返したり、窓から外を覗いたりして楽しんでいた。
その時、ふと机の下に何かが見えた。白い手が、机の隙間からこちらを見上げているように思えた。恐れを感じた私たちは、すぐにその場を離れようとしたが、心のどこかでその白い手に引き寄せられるような感覚があった。
「やめよう、ここは怖いよ」と誰かが言ったが、私はその手が気になって仕方がなかった。近づいてみると、白い手は机の下から出ており、それはまるで助けを求めているかのようだった。私の心臓は早鐘のように打ち、恐怖で体が動かなくなった。
すると、その手が耳元でささやいた。「ここに隠れていなさい、大丈夫だから。」その瞬間、急に冷たい風が教室を吹き抜け、私たちは一斉に振り返った。何も見えないが、背筋が凍るような気配が漂っていた。
急いで校舎を出た私たちは、無事に外に出るとほっと胸を撫でおろした。しかし、あの白い手が何だったのか、今でも思い出すと背中がぞくぞくする。あれは、私たちを守ろうとしていたのか、それとも…何か別の意図があったのか。冬の夕方、廃校の影は今も私の心に残り続けている。
そして、あの伝説が本当に存在するのか、今もなお、廃校の周りでは誰かがその手を見たという噂が絶えないのだ。私たちが見たものは、本当に守護霊だったのか、それとも…。
その後、私たちはあの廃校に近づくことはなかったが、あの出来事は決して忘れられない。あの手が何を伝えたかったのか、今も分からないままだ。
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