
長編
雷冥白其
匿名 2時間前
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抜け出し人にみつからないように目的地の隣町の外れまで歩いた。
幸いというべきか元々自分たちの町は人が少なく犯罪などもあまりないため警察の人もあまり見回りはしていないためかすんなりと目的地の四本木へとたどり着いた。
眠気やつかれもあるからか誰も口を開かなかった。
どれくらいたっただろうか、全員で息を潜めて様子を伺っていると微かに音が聞こえてきた。
「カッカッカッカッ」
そう聞こえる、まるでカスタネットを鳴らした音だと私は思った。
「カッカッカッカッ」
最初は断続的に聞こえていたのが時間が経つとだんだんと大きくなっていく。
「カッカッカッカッ」
やがてそれは鳴り止まなくなった。
みんな怯えていた。
そうしているとそれが見えた。
四本木の間に赤い服に暗い色のスカートをして首にカスタネットをぶら下げた私たちより年上のような女の子がそこにいた。
顔は見えなかったがよくみると手足の手首や足首から下が透けているのか見えない。
というかない。
音はどんどん大きくなりそれは私たちに近づいてきた。
恐怖のあまり皆ちりじりに逃げた。
どれだけ走っただろうか。
住んでる町の方に逃げた私は息もたえたえに膝に手を置き呼吸を荒くしていた。
歩いているとまた微かにだがあのカスタネットの音が聞こえたような気がしてきた。
私は怖くなってうずくまりそうになったが町外れのあの廃神社が頭をよぎる。
私は疲れも忘れたかのようにとにかく走った。
なぜあそこがよぎったのかはわからない。
でもいまはなんでもよかった。
ただ、死にたくないからとにかくすがりたかったのかもしれない。
気がつくとあの拝殿の前にいた。
本殿の方に行くと扉が開いていたので、覗いてみるとあゆみとなおこがそこで横たわっていた。
私は思わず駆け寄る。
二人は眠っているだけのようだった。
するとまたあの音が聞こえてきた。
今度は後ろで鳴ったような気がした。
振り返りそうになるが堪える。
たぶんだけど振り返ったらやばい…逃げようと思ったが足が動かない。
だんだんと音は大きくなる、近づいてきてるようだった。
もうダメだと私は思った。
すると空が夜なのに白く光り轟音が鳴った。
「…雷?」
思わず言葉が出た。
ふと気づくとあの近づいてくる音がしない。
あたりを見渡すとあの四本木の少女と黒い和服?あれは巫女服だろうか?後ろ姿しかみえないがそんな格好をした白髪の
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