
長編
海からくるもの
匿名 4日前
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しい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。
それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、
友人は殆ど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。
回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、
卒業してからは疎遠になってしまった。
犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。
結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。
ともかく、オレは海には近づかないよ。
以上が同僚の話。
昔読んだ柳田國男に、笊や目籠を魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。
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- 海難法師だっけあ
- そんなの見たら、隠れ続ける自信無いわw鴉
- 家内の中にある人の気配を探して行動してる可能性もあるな。つまり、遅かれ早かれ車も覗くつもりだったんだろうから車を出したの良い判断じゃないか?わーお
- 前も読んだけど きみ悪い話ですねまゆ
- 犬が吠え続けてたので気づかれるのは時間の問題だと思って発進したのでしょう。きつね猫
- 魔除け(?)の品がないから、見つかるのは時間の問題だったとか?あら
- 気づかれてないのになぜ車を走らせたのか分からん。犬がかわいそう。のあ