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中編
電話
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電話

2015年9月24日
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電話好きな友人がいて、彼女は毎日のようにわたしの自宅や携帯に電話してくる。

電話に出たものなら最低2時間は解放してもらえない。

話の内容はくだらない。職場の愚痴 彼氏の愚痴 両親の愚痴 友だちの愚痴 数限り無い愚痴を延々と喋り捲るのだ。わたしが話題をかえようとしても無理矢理自分の愚痴に流れを戻す。

彼女はごくフツーの女の子だ。日常生活を見る限り特別な欠点は見当たらない。ルックスもまあまあ、友だち付き合いも良く、優しい気遣いもある。「電話魔」だということだけが難点なのだ。

ある時、彼女と共通の友人に「彼女の長電話」について愚痴ってみた。そこで初めて知ったのだが、彼女の長電話はどうやら相手がわたしに限ってのことらしい。他の友人には用事以外で電話がかかってくることはないし、用件が済めばあっさり切ってしまうという。

彼女に悪意はないのだろうが、これは何とかすべきだと思った。毎回2時間も愚痴を聞かされるのはいい加減うんざりしていたのだ。

彼女から電話がかかってきた時、わたしはそれとなくプライベートや仕事で忙しいと告げた。

「そうなの、大変だね」

彼女は軽く返答し、また延々と愚痴をこぼす。まるでわたしの言い分など聞いていない。わたしは適当な理由をつけて強引に電話を切った。次に彼女から電話がきた時も同じように電話を切り、かかってくる度に会話の時間を短くした。

おそらく彼女はわたしの態度が不満だったろう。だが、わたしに直接モンクをぶつけることはなかった。「そっか、忙しいんだね」従順にそう呟いただけだ。

怖いことは次の日から起こった。帰宅すると留守電の件数が78件。全てが例の彼女からの愚痴話しだった。初めの10件までは聞いてみたが、残りは当然消去した。

その夜中だ。いきなり自宅の電話が鳴ってFAXが動き出した。彼女からだった。

「返事だけでも聞かせてって言ったのに、連絡くれないからFAXします」

そう前置きが書かれたFAXはいつまでも受信し続け、交換したばかりのロールを全部使い果たしてしまった。部屋の中はFAX用紙の海だ。わたしは途方に暮れながらも腹が立ち、散乱する用紙を掻き集めてゴミ袋に詰め込んだ。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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