
中編
祖母の初恋と戦争と不思議な声
けいすけ 3日前
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ふかし有り難うと。」
と、優しく微笑んで私の頭を撫でてくれました。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「栞、どうした?」
私は祖母と従姉の娘に起こされました。
「お姉ちゃん、血が出ているよ?大丈夫?」
よくみると小さな切り傷がありました。
手当てをした後に祖母に夢の話をしました。
「不思議な事もあるもんだね。その男性はばあちゃんの命の恩人で栞達のお祖父さんになるひとだったんだよ。」
…と、悲しい表情をしながら教えてくれました。
「今思い出すと、不思議な事があったんだよ。栞の声とそっくりの若い娘の声で危ない‼って叫ばれたり。栞が今着ている甚平のような服を着た少し光って見えた女の子に抱き抱えられたの。もしかしたら、助けてくれたのは貴女もかな。」
…と、涙目で優しく微笑む祖母でした。
「あのお兄さんがばあちゃんの初恋の人でしょ?」
…と泣きそうになるのをこらえようと祖母をからかいました。
「こーら、大人をからかうんじゃありません。でも、人の寿命と運命って悲しいし残酷だなって思ったけど、お祖父さんに出会って貴女がいて…この運命も悪くないかなって思った。」
…その時の祖母が失礼ながらも可愛らしかった。
「栞…覚えておきなさい。貴女の命は貴女を大切に思う人達からの贈り物で、貴女は私の大切な宝物だよ。大人の汚い部分を見てしまったから周りと考え方が違うと笑われてしまうこともあれば嫌なこともされたりして傷ついてしまうこともあるよね。沢山泣いても嫌になったら逃げても良いんだよ。でも、自分の命は粗末にはするな。栞はご先祖様やあの人がくれた大切な宝物だよ。」
…と、真剣な瞳で私の目を見てくれました。
パワハラにあっていたり色々と疲れていた時なので救われました。
「お兄さん…お祖母さんを助けてくれて有り難うございます。」
と、お仏壇から祈りました。
この怖い話はどうでしたか?
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- マジで感動〜〜みかん
- この話は好きだな…。短編漫画にしてみたいかも。じん
- 時空を移動してますよ笑名無し
- 感動しちゃいました。素敵なお婆ちゃまですね。もっちゃん420
- なんか不思議で、きれいな話ですね。こたくん