
中編
彼女
匿名 2日前
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友人から変わった話を聞いたので紹介します。
友人は私の地元の同級生で、今年社会人になり新生活を始めたそうです。そんな彼が、大学生の頃に少し変なことがあった、と先日私にこの話を語ってくれました。
当時彼には同級生の恋人がおり、お互い独り暮らしですので毎晩どちらかのアパートに泊まるような、いわゆる半同棲の生活を送っていたそうです。
そんなある日のこと、いつものように二人で、その日は友人の部屋で過ごすことになったそうです。
ゆるりと過ごし夜もふけた頃、どちらともなくそろそろ寝ようという雰囲気になり、恋人が先にお風呂に入りに行きました。その後恋人があがったので入れ替わりに友人も浴室へ入りました。
そしてシャンプーを手に取り、泡立て、そのまま頭を下げ髪を洗っていると、なぜか背後から何者かの気配を感じます。少し気になりましたが、ひとまずシャワーをひねりシャンプーを洗い流します。
そして振り返ると、すりガラス越しに不気味な生首と目が合いました。
当然友人はひどく驚き悲鳴をあげました。すると少し間を開けて、浴室の扉越しにゲラゲラと笑う声が聴こえるではありませんか。そう、恋人の声です。
頭にきた友人がそのまま強く扉を開けるとそこには、妙な生々しさを感じるマネキンの首を抱えた恋人が、大きく口を開き笑っていました。
なんでこんなことをしたんだ、危ないじゃないか、と友人は怒りましたが、彼女はゲラゲラゲラゲラと笑い続けます。
このまま怒っても埒があかないと思った友人は浴室へ戻りました。湯船に入って少しすると笑い声はおさまり、彼女が部屋へ戻っていく音が聴こえました。
その時は後で改めて小言の一つでもと思っていましたが、入浴を終え部屋へ戻ると恋人は既に眠ってしまっていたようで、そのうえ次の日も起きるなりすぐに授業へ向かってしまったため何も言うことができませんでした。
その日の最後の授業が終わると恋人から着信があり、今日も泊まるのはそちらの家でいいか、と尋ねられます。友人は、いいけれど昨日のような悪戯はやめてくれ、と声を強くしました。
すると恋人は奇妙なことに、いったい何を言っているの、とそのことについて全く知らない様子の返事を返したそうです。その後友人が先日の件について詳しく話しますが、それでも恋人はまるで覚えていない様子です。
流石になんだか気味の悪くなった友人は、それ以降自然と恋人を家に招かなくなったそうです。
この話をされた時
後日談:
- 初投稿です。
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