
親の旅行で、私は冬の寒い夜、従妹の家に預けられた。古びた洋館は、外観からして不気味で、周囲には何もないただの森が広がっていた。従妹は私と同じ年齢で、彼女の家政婦である若い保母は優しそうに見えたが、どこか冷たい目をしていた。
洋館の中は広々としていて、特に地下室は子供たちの遊び場となりそうな場所だった。そこで私たちはかくれんぼをすることにした。保母のカレンは、いつも私たちにじゃんけんをして鬼を決めてくれたが、今日は特別に彼女が鬼になると言ってくれた。
「いーち、にーい、さーん…」
カレンが数え始めると、私は急いで隠れる場所を探した。たくさんのドアや隠れ場所がある中、私は地下室の奥にある古びた扉を見つけた。そこに隠れようとした瞬間、背後から誰かの足音を感じた。振り返っても誰もいない。心臓が高鳴る。
「こっちだよ」
その声はすぐ近くから聞こえた。驚いて振り返ると、影のような小さな子供が立っていた。無意識にその子の後を追って扉を開けると、真っ暗な通路が広がっていた。手を伸ばすと、冷たい空気が指先を撫でる。
「行こう、まだ大丈夫だよ」
男の子に導かれ、私は不安を抱えつつ彼の後をついて行った。通路の奥には、奇妙な宴の音が聞こえてきた。そこには、長いテーブルに料理が並べられ、誰もいない空間が広がっていた。
「誰もいないよ」
「君が来たから、みんな逃げたんだ」
「どうして?」
男の子は私に微笑みかけ、何かを知っているような目をしていた。恐怖感が押し寄せ、私はその場から逃げ出した。廊下の襖が揺れ、ぎしぎしと音を立てる。
「ここには来ちゃダメだよ」
その言葉が響く中、襖が開き、異形の者たちが現れた。幼い私の頭には、何が起こっているのか理解できない。ただ、逃げるしかなかった。
必死に走り回るが、出口は見えない。どこまでも続く廊下に、恐怖だけが増していく。
「助けて!」
叫びながら進むと、突然暗闇の中に光が見えた。目の前には、井戸の底が広がっており、そこに落ちていく感覚がした。
「ぷはっ!」
水の中から顔を上げると、周囲には保母が立っていた。彼女は私を見て微笑み、まるで何事もなかったかのように言った。
「遊びは終わりだよ」
その瞬間、私の体が震え、夢から覚めた。従妹の部屋で目を覚ますと、彼女とカレンが私を心配そうに見ていた。どうやら一時的に意識を失っていたらしい。しかし、あの地下室での出来事は一体何だったのだろうか。まるで悪夢のような記憶が心に残っていた。
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