
中編
白蛇様と祖母の物語
けいすけ 3日前
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皆さんは白蛇様は見たことがありますか?
私は中学二年の頃に一度だけ見ました。
今回はその白蛇様と私と母方祖母が語ってくれた若き日の祖母と白蛇様の不思議な思い出話をします。
私が中学二年生の頃はまだ児童自立支援施設(昔で言う教護院)にお世話になっていた時のお話です。
分校の授業の一環で近所の農家の方の田んぼを借りて私達は田植えをしていました。
(場所はM庭台と言う場所で宮城県民の方は分かるかと。)
田植えを指導して下さった農家さんの自宅の前は綺麗な水が流れる堤があります。
そこには昔から蛍が集まるので綺麗だと教えてくださいました。
さて、事件は田植えの時に起こりました。
田植えも一段落して小休止タイムの時になると後輩の女の子がテンション高く声をかけてきました。
振り向くと…そこには、白蛇の首根っこを掴んでいる後輩の姿がありました。
担任のF島先生と雑談をしていた私は二人仲良く固まりました。
人生で初めて見た白蛇さんとその白蛇さんの瞳が真っ赤だった事に直感的に只の蛇じゃないと思いました。
空気が清み渡るような…そんな雰囲気。
しかし…後輩ちゃんはそんな事は御構い無し。
腕に巻き付け尻尾をつかみブンブン回し…怒った白蛇様が首に巻き付こうとすると逆ギレして堤の石垣に叩きつける等の暴虐をして白蛇様は動かなくなり流されてしまいました。
辞めるように止めても聞く耳持たず…。
理不尽に虐められて命まで…。
白蛇様が可哀想で助かるように祈るしかなかった。
そして…私は後輩ちゃんを睨んでいた白蛇様の視線をみたので命乞いもしてしまった。
その日の晩に不思議な夢を見た。
綺麗な黒髪で瞳が紅くて巫女さんの格好をした美しい女の人が出てきた。
「そなたが懸命に私の身を按じて祈りをくれた娘か。礼を言います。優しい娘だな。…もしや、そなた…あの娘子の孫か?そうか。そなたの祖母には世話になった。優しき心のままでおれよ。心身ともに美しくなるぞ。礼に富みには困らぬようにもいたす。祖母上によろしくな。」
…優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
その時は何故祖母ちゃんが?と思うが気にしなかった。
次に行った時はF島先生と一緒に白蛇様の祠を見付けたのでお握りを供えました。
「栞はもしかしたら霊感が強いのかもね。でもね、それは栞が生まれつき優しい心を持って産まれたから何だよ。…ぶっちゃけ先生もあるんだよね。栞はご先祖様や神様に可愛がって貰えるから安心しなさい。
この怖い話はどうでしたか?
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- 良いお話です、白蛇様の加護があるのですから幸せですね!さら
- 俺も教護院に3年いましたが、色々と苦労したのですね。教護院は非行事実がなくても、入ってしまいますからね…。じん
- 白蛇様に守られ心優しき美しい方になられたのですね。誰でもコンプレックスはありますが、心美しく生きることほど難しいものはないと思います。カルマ