
これは、俺が祖母と一緒に山奥の養鶏場で暮らしていた時に起きた話だ。
早くに父を亡くした俺は、母、妹、そして祖母と共に、静かなこの村で暮らしていた。
もともと父が継ぐはずだった養鶏業を、将来は俺が継ぐんだと、その頃の俺は祖母の手伝いに励んでいた。
そんなある夜、いつものように餌を運んでいると、突然祖母の叫び声が聞こえてきた。
俺は急いで鶏舎の方に駆けつけると、Tシャツ姿の祖母が、床にしゃがみ込んで震えていた。
「来るな!お前は離れろ!」
祖母が顔を真っ赤にして叫ぶ。俺は何が起こったのか理解できずにいた。
その時、耳をつんざくような音が聞こえた。鶏舎の隅から、じっとりとした音が響いている。
思わず目を向けると、俺は言葉を失った。
「見るなと言っただろ!」
耳元で叫ぶ祖母の声は、もうほとんど聞こえなかった。
体が硬直し、まるで氷の中に閉じ込められたような恐怖が襲う。
目の前には、鶏の死骸が血まみれで転がっていた。
その周りには、何かがうごめいている。白い羽根が地面に散らばり、まるで生きているかのように動き回っていた。
その中には、鶏の頭が溶けかけているように見えるものもあった。
「逃げ……来る……」
その何かは、歪んだ声で言葉を発し、体をくねらせる。
すると、周囲から白い煙が立ち上り始め、まるで蒸気のように立ち込めていった。
俺と祖母は呆然とその光景を見つめていたが、やがて祖母が我に返った。
「戻るぞ……」
俺たちは急いで鶏舎を後にし、家へと戻った。
しかし、外には車のエンジン音が響いていた。窓から外を見ると、知り合いの顔が見えた。
「本当に見たのか……?」
友人の声が聞こえ、俺は恐怖を感じた。
「間違いない……奴だ……」
祖母の言葉に周りがざわめく。
「逃げろってことは、何かが起こるってことか?」
その後、俺は自室に戻り、ネットで「血まみれの鶏」と検索した。
結果は驚くべきもので、かつてこの村で報告された奇怪な現象の数々が出てきた。
1860年代、養鶏場で生まれた異形の存在が、災厄や疫病を予言するという伝承があったらしい。
何だこれ……と溜息をつき、俺はそのまま眠りについた。
次の日の朝、いつも通り鶏舎に向かうと、突然地面が揺れた。まるで地震のように。
周りを見ると、カレンダーが落ち、棚が倒れ、建物が軋む音が響いていた。
その瞬間、俺は恐怖に駆られ、急いで家に戻った。
家族は無事で、皆が心配していた。
「高台に逃げよう!」と指示を出したが、祖母は「俺はここにいる」と言い張った。
後日談:
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