
短編
事件現場の写真
匿名 2日前
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スマホで複数の写真を撮ると、「○○市で」「○○への旅行」などアルバムのようなものを自動で作成する機能があるが、そのなかでの体験。
数年前、○○市のとある場所で罪のない若い女性が殺されるという悲惨な事件があった。
このときの報道で、事件の概要や現場の中継で映っていた偶然知っている建物から、俺はその事件の起きたところ、女性が刃物で刺された場所の位置を押さえていた。
しばらくはトラウマで○○市と聞くだけでその事件を思い出してしまい、○○市に近づくこともできなかった。
ところが、○○市のその場所を実際に見ることによってトラウマを緩和できるのではと考えるようになった。
俺は旅行と兼ねて○○市のその事件があった場所に行ってみた。
そこは普段は人通りの多い場所で、今では普通に人々が行き来していた。
血痕や道への傷痕など何らかの痕跡は残ってなく、人々の記憶に残るのみだった。
だが他の場所にはない違和感(内容は伏せる)は今でも残っている。
ここの周辺に住んでいる人であの事件を知らない人はまずいないだろう。
俺はあの事件が起きた丁度その場所をスマホのカメラで収めた。
あの日のあの時間、この写真に写っている場所であの事件が起きたのだ。
その後、俺の撮った写真がスマホの自動作成で編集されて「○○市で」というタイトルの動画ができた。
俺はその動画を再生してみると、何枚かの写真のあと、あの現場の写真が写った。
その直後、画面が真っ暗になり女性の悲鳴のような声が入っていた。
そのあと他の場所の写真にうつり、そのあとは問題なく動画は終わった。
その暗い画面と悲鳴のような動画はスマホの写真にどんなに探しても入ってなく、間違ってポケットのなかで動画が撮れてしまった訳でもなかった。
一体、なぜこんな動画が?
その後は、スマホの写真を整理して要らない写真を削除するなかで、例の動画もいつの間にか消えていて、今ではその動画をみることもできない。
この怖い話はどうでしたか?
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