
長編
作法の話
ヤマ 3日前
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が呪われることはない、それにここは仏様の家でもあるんだ、そんな呪いなんて仏様が守ってくれるから安心しなさい
その証拠にこの寺では先々代ぐらいの時代から丑三つ時参りがあるが、なにもトラブルに巻き込まれた事はないし、14年も経ったのに、何もないだろ?」
そう言われ、確かに藁人形があったというあの竹の子採りから14年も経ったその時まで、なにも不幸は無いので呪いなんて無いと安心できた。
父「それでな、これはあの時お前と母さんが竹の子採りしていた時に見付かった例の藁人形の実物なんだが、これは次回の遺品供養に回すつもりの物だが
お前にも実際に見てもらいたくてな」
そう父に見せられたのは本物の、漫画や映画でよく見るようなあの“藁人形”でした。
手足や頭や胸に五寸釘が刺さり、呪いたい相手の名前が書かれた札が貼られた正に想像通りな藁人形でした。
しかしこう実物を見てしまうと、なんだか本当に凄まじい邪気を感じずにはいられませんでした。
そんな藁人形ですが、私は気になる事がありました、貼られた札に「○○は死にました」そんな一部が書いてあるのです。
何故か確定系な「ました」と終わる書き方、変な違和感があり、父に訪ねると
父「呪いにも作法があってな、「○○呪われろ」とか「呪ってください」とか、そう呪う時には書くと思われがちなんだが
呪いをする時の作法で、願掛けがより一層強い願望になるように「呪われました」みたいな確定系な書き方をすると、呪いが成就すると言われてるみたいでな
これはそんな作法に乗っ取った礼儀正しい呪いの方法…みたいなんだ、まあ…呪いに作法も糞もない気がするがな」
そう説明する父に私はなるほどと、改めて藁人形を見た、「死にました」と言うのはそれほどまでに強い恨みがあり、願掛けが成就するような思いで書かれたもの何だなと。
だが、そん事を思っていたら父と母が言うのでした。
父「ただな…この藁人形には嫌な後日談があってな、実はこの名前に書かれた○○と言うのが…家の檀家でな」
私「え!?」
母「でね、この藁人形を見付けたあの竹の子採りから丁度2カ月後に、名前に書かれた○○さん本当に亡くなられたのよ」
ここへ来て更なる衝撃な事実、本当に呪いが成就したのか…名前にあった呪いの相手は家の檀家で、2カ月後に本当に亡くなられた…。
これは完全に藁人形に書かれた通りに呪いで死んだと思われても
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- 邪法は昔からあるからね。環七
- 言霊なんですよね。やたすけ