本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 短編

廃園の観覧車

こわがりナイト 15時間前
怖い 1
怖くない 0
chat_bubble 0
45 views
大学の夏休み、俺たちは軽いノリで「心霊スポット巡り」をすることにした。 メンバーは俺、慎也、真由、そして少し霊感があるという美咲。 目的地は愛知県北部にある廃遊園地。十年以上前に閉園し、いまでは地元でも立ち入り禁止とされている場所だった。 心霊マニアの掲示板では「夜になると観覧車が勝手に回る」と噂され、廃墟系ユーチューバーが何人も訪れていた。 俺たちはその動画を見て、勢いで行くことを決めた。 夜十一時、人気のない山道を抜け、フェンスの隙間から園内に侵入した。 懐中電灯の光の先に、錆びついた看板が浮かび上がる。 『ようこそ 〇〇ドリームランドへ!』 色あせたキャラクターの笑顔が、今ではどこか不気味に見えた。 敷地内は雑草とツタに覆われ、建物はほとんど崩れかけていた。 美咲が小声で言った。 「……ここ、誰かいる」 慎也が笑って返す。「いるわけねぇだろ」 けれど、確かに聞こえた。 カラン……カラン……と、遠くで鉄がこすれるような音。 観覧車の方角だった。 近づくと、夜風に揺れるように、巨大な観覧車がわずかに動いていた。 もちろん電気なんて通っていない。 そのゆっくりとした回転に、俺たちは息をのんだ。 「風のせいだよ」 真由が言ったが、その声も震えていた。 観覧車の足元に、錆びたチケット売り場が残っていた。 俺は中を覗き込んだ。 ……そこに、人影があった。 白い服の、髪の長い女。 背を向けたまま、まるでチケットを数えているように、小さく指を動かしていた。 「おい……美咲、今の見たか?」 しかし彼女は顔を青ざめさせ、ゆっくりと首を振った。 「見てない……でも、何かがいる。こっち、見てる」 女が、ゆっくりとこちらに顔を向けた。 真っ黒に塗りつぶされたような眼窩。 そして口がありえないほど横に裂けて、にたりと笑った。 その瞬間、観覧車が**ギィィィ……**と音を立て、止まった。 全員、叫んで逃げた。 出口のフェンスをくぐり抜け、車まで一目散だった。 エンジンをかけると同時に、後部座席の窓ガラスに手形がベタリとついていた。 帰りの車内、誰も一言も喋らなかった。 ただ、美咲だけが小さく呟いた。 「……あの人、まだ数えてた」

後日談:

  • 数日後、俺はネットであの遊園地について調べた。 そこは「〇〇ドリームランド」と呼ばれていたが、閉園の理由は公にはされていなかった。 ただ、ある記事だけが引っかかった。 「開園から数年後、観覧車の事故で女性従業員が亡くなった」 「その女性はチケット売り場で働いており、閉園まで彼女の霊が園内を見回っているという噂が立った」 背筋が凍った。 俺たちが見た“女”は、その従業員なのだろうか。 美咲はあれから体調を崩し、大学にも来なくなった。 慎也と真由も、廃墟の話をすると「やめろ」と言って席を立つ。 そして先週、慎也の車が夜中に単独事故を起こした。 助手席の窓ガラスには、あのときと同じ手形が残っていたという。 警察の報告書には、 「現場にはもう一人、同乗者がいた可能性がある」と書かれていた。 だが、助手席のシートには誰もいなかった。

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.238

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

grid_3x3 話題のキーワード・タグ

search

サクッと読める短編の怖い話 サクッと読める短編の怖い話

読み込み中...
chat_bubble 0