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短編
廃園の観覧車
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廃園の観覧車

2025年10月31日
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大学の夏休み、俺たちは軽いノリで「心霊スポット巡り」をすることにした。

メンバーは俺、慎也、真由、そして少し霊感があるという美咲。

目的地は愛知県北部にある廃遊園地。十年以上前に閉園し、いまでは地元でも立ち入り禁止とされている場所だった。

心霊マニアの掲示板では「夜になると観覧車が勝手に回る」と噂され、廃墟系ユーチューバーが何人も訪れていた。

俺たちはその動画を見て、勢いで行くことを決めた。

夜十一時、人気のない山道を抜け、フェンスの隙間から園内に侵入した。

懐中電灯の光の先に、錆びついた看板が浮かび上がる。

『ようこそ 〇〇ドリームランドへ!』

色あせたキャラクターの笑顔が、今ではどこか不気味に見えた。

敷地内は雑草とツタに覆われ、建物はほとんど崩れかけていた。

美咲が小声で言った。

「……ここ、誰かいる」

慎也が笑って返す。「いるわけねぇだろ」

けれど、確かに聞こえた。

カラン……カラン……と、遠くで鉄がこすれるような音。

観覧車の方角だった。

近づくと、夜風に揺れるように、巨大な観覧車がわずかに動いていた。

もちろん電気なんて通っていない。

そのゆっくりとした回転に、俺たちは息をのんだ。

「風のせいだよ」

真由が言ったが、その声も震えていた。

観覧車の足元に、錆びたチケット売り場が残っていた。

俺は中を覗き込んだ。

……そこに、人影があった。

白い服の、髪の長い女。

背を向けたまま、まるでチケットを数えているように、小さく指を動かしていた。

「おい……美咲、今の見たか?」

しかし彼女は顔を青ざめさせ、ゆっくりと首を振った。

「見てない……でも、何かがいる。こっち、見てる」

女が、ゆっくりとこちらに顔を向けた。

真っ黒に塗りつぶされたような眼窩。

そして口がありえないほど横に裂けて、にたりと笑った。

その瞬間、観覧車が**ギィィィ……**と音を立て、止まった。

全員、叫んで逃げた。

出口のフェンスをくぐり抜け、車まで一目散だった。

エンジンをかけると同時に、後部座席の窓ガラスに手形がベタリとついていた。

帰りの車内、誰も一言も喋らなかった。

ただ、美咲だけが小さく呟いた。

「……あの人、まだ数えてた」

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後日談:

  • 数日後、俺はネットであの遊園地について調べた。 そこは「〇〇ドリームランド」と呼ばれていたが、閉園の理由は公にはされていなかった。 ただ、ある記事だけが引っかかった。 「開園から数年後、観覧車の事故で女性従業員が亡くなった」 「その女性はチケット売り場で働いており、閉園まで彼女の霊が園内を見回っているという噂が立った」 背筋が凍った。 俺たちが見た“女”は、その従業員なのだろうか。 美咲はあれから体調を崩し、大学にも来なくなった。 慎也と真由も、廃墟の話をすると「やめろ」と言って席を立つ。 そして先週、慎也の車が夜中に単独事故を起こした。 助手席の窓ガラスには、あのときと同じ手形が残っていたという。 警察の報告書には、 「現場にはもう一人、同乗者がいた可能性がある」と書かれていた。 だが、助手席のシートには誰もいなかった。
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はじめまして、よろしくお願いします。

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