
あれは私が中学生だった時のお話です。
当時私には好きだった男の子のTくんがいて、Tくんは元々私の幼馴染の女の子と仲が良く、幼馴染を通して私もよく話すようになりそのうち本の貸し借りをしたり休日に一緒に出掛けたりするようになりました。
Tくんとは塾も同じで、タイミングが合えば一緒に帰ることもしばしばありました。
気付けば周りからは“付き合ってるのでは?”と言われるくらいには仲良くなっていましたし、実際両片思いの状態だったと思います。
それでもどうしても告白出来なかったのは、幼馴染から届いた『私のほうがずーっと好きなのに』『どうして』という2つのメッセージと「お前なんて」という一言だけ告げられた電話が未だに頭から離れないから___。
あの日私はいつものように塾で勉強をし、Tくんと一緒に家まで帰っていました。
その途中でコンビニへ向かう幼馴染とばったり会い、少し談笑をしてからまた分かれ幼馴染はコンビニへ、私とTくんはそれぞれの家へと帰り私が家に着くとさっき分かれたはずの幼馴染からのLINEが届いていました。
そこには、『私のほうがずーっと好きなのに』『どうして』という2つのメッセージ。
幼馴染とは普段恋バナをすることも特になかったので、もしかして実は幼馴染もTくんのことが好きだったのかなと思い
『ごめんね、〇〇もTくんのこと好きだったなんて知らなかった』
と送った瞬間に既読がつき電話がかかってきました。
私はすぐに電話に出ましたが、何度話しかけても無言だったので
「とりあえず一旦切るね。」
と声をかけて通話を切ろうとした瞬間
「……お前なんて。」
と一言だけボソッと呟いたかと思うとすぐにその通話は切れてしまいました。
私は幼馴染はそんなにTくんのことが好きだったのかと少し申し訳ない気持ちになり、もう一度ちゃんと話をしようと幼馴染の帰りを彼女の家の前で待つことにしました。
それから10分くらい経ってようやくコンビニから幼馴染が帰ってきました。
「あれ?どうしたの?何か用事?」
「どうしたのじゃないよ。さっき電話かけてきたのはそっちなのにすぐ切るんだからびっくりした。ごめんね、〇〇がTくんのことが好きだなんて知らなかったの。」
「何言ってんの?私Tのことは別に好きじゃないし、あんたのこと応援してるよ。てかそもそも私電話なんてかけてないけど。スマホ家に忘れちゃってさ〜。誰かと間違えてるんじゃない?」
後日談:
- この奇妙な出来事を投稿するために起こった出来事をメモに整理してから眠った夜、私はTくんと結婚式をあげている夢を見ました。 大勢の友人や家族から祝福され幸せだったのですが、耳元で 「私のほうがずーっと好きなのにどうして。」 「お前なんてどうせすぐ捨てられる。」 という声が聞こえたかと思うと知らない女性がこちらを見ながら睨んでいるのがはっきりと見えました。 そこで飛び起きたのですが、睨む女性の顔と声がずっと頭から離れません。 あぁ、どうやら私はもう手遅れだったようですね。
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