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長編

狂 恋

えい 2018年1月17日
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この話は 終りの方で少しだけ 霊に触れる程度の ある女性の人怖話なので 興味の無い方は スルーして下さい。会話中心の話です。 のり子 ( 仮名 )さんの お友達の紗香 ( 仮名 )さんからの相談でしたが 一度 のり子さんに会って欲しいと言われ 後日 お会いする事になりました。 翌日 紗香さんとのり子さんと待合せた喫茶店に行くと既に お見えになっていました。 のり子さんは 見た目が実年齢より若く見えたので 年齢を聞いて驚いた事を 今でも 覚えています。 のり子さんは 普段から明るい性格だという話を先日 紗香さんから聞いていましたが お会いしてみても その性格通りの方だなというのが判りました。 のり子さんには お付き合いされていた方がいた様で 話をしている最中にスマホを取り出してはため息を吐かれていたので聞いてみました。 私 「さっきから ため息ばかりね。どうしたの?」 のり子 「彼氏からメールの返事が来ないの…いつも 休憩時間にはメール返してくれるのに…。」 私 「彼氏さんは お仕事してる人?」 のり子 「はいっ!」 紗香 「仕事が忙しいんじゃ無いの?」 のり子 「そうかなぁ…?」 私 「きっと そうよ。お仕事が忙しいからメールする事が出来ないんじゃないかな?」 のり子 「ん~……ちょっと電話して来ます。」 のり子さんが席を立った後 紗香さんが 紗香 「のり子の彼氏ってのり子より10歳も年上なんですよ。だから 頻繁に連絡取りたがるのか分からないですけど…メールの返信がないだけで すぐ彼氏に電話掛けに行くから 程々にしないと嫌われるよ?って言うんですけど…。」 私 「えっ⁉ 10歳年上なんですか?勿論 フリーな人ですよね?」 紗香 「はい。でも何年か前に奥さんを癌で亡くされたらしいですよ。それに…娘さんが二人いらっしゃるみたいです。一人は嫁がれていて 家にはいない様ですが…下の娘さんがまだ学生さんらしく 家にいらっしゃっるみたいな事言ってましたね。」 私 「 あっ⁉帰って来ましたよ。」 のり子 「ただいまで~す。」 紗香 「 やっぱり 仕事中だったでしょ?」 のり子 「うん。会議中だから 今夜会おうって。」 紗香 「あんまりしつこいと逃げられるかもよ。」 のり子 「えぇ~っ大丈夫だよぉだって 一番なのは君だけだっていつも言ってくれるもん ‼ 」 私 「あらっご馳走さま。」 紗香 「……………」 のり子 「ねぇ紗香~ぁイタリアンどっか美味しい所知らな~い?あっ⁉ 紫雲さん‼ イタリアン知りませんか?」 紗香 「イタリアンは知らないけど 炒飯ならしってる(笑) 」 私 「すみません。私もどちらかというと……紗香さんと一緒です…。」 のり子 「えぇ~っ‼ 有り得なく無いですかぁ?まっいいや。何処にしようかなぁ~?」 こんな風に 明るくて楽しい のり子さんは とても私と年が近いなんて思えない女性でした。 そのあと のり子さんと紗香さんとメアドを交換し 別れました。 それから数ヶ月経ったある日 また紗香さんから相談を受けました。 のり子さんの様子がおかしいと……。 そののり子さんからメールが届いたのは 紗香さんから相談を受けた 3日後でした。 それで 私の方から 紗香さんへ連絡を取り 待合せ紗香さんから話を聞きました。 私 「のり子さんからメールが来てね。会社辞めて引っ越しますって……何かあったの?」 紗香 「あ~何か彼氏と別れたみたいなんですよ。」 私 「えぇ~っ‼どうして?」 紗香 「会社辞めたのは 多分…彼氏の言葉を素直にとったから?かなぁ…」 私 「彼氏の言葉?」 紗香 「なんか…結婚したら彼氏の仕事手伝ってくれって言われたらしくて…本気かどうかもわからないのに…。 それで彼氏に会社辞めた事を言ったら…。彼氏は驚いてたって。結婚したら仕事手伝ってって言ってたじゃんって言ったら ちょっと待ってって言われたって…当然といえば当然なんですけど…。」 紗香さんがのり子さんから 聴いた話はこんな感じでした。 彼氏さん側 ・仕事を手伝って欲しいは… 将来結婚する様なことになったらって話だった。 ・結婚するもなにも… プロポーズしていない。 ・結婚は… 今すぐは無理。娘が許さないから。( 母親を突然 失って不安定。 ) 新しい母親を受け入れられる状態ではなかった。 ・彼氏さんの気持ち のり子さんに失望した。彼が一番大切にしていた事を全く理解していない。好きとか嫌いとか いうような事 以上に 大切なものが誰にでもある。その想いがわからない人と一緒に居られない。 のり子さん側 ・娘の母親になるつもりはない… 彼氏の奥さんになりたいだけ。ただ それだけ。 ・子供はすぐに大きくなる… 彼氏が置いて行かれるのが 可哀想。娘は 彼氏になにもしてくれない。 ・私なら… 彼氏とずっと一緒に居られる。この先もず~っと一緒。 ・彼氏が一番好きな… 彼氏が一番好きなのは 私 。娘じゃなくて 私 が一番だって言った。 そんな失恋があってから 一年が経とうとしてた頃 紗香さんからメールが来て あの失恋を今でも引きずってなければいいんですが…ととても心配していました。 明るい性格な反面 受けるダメージが大きいらしいので 私も気を使い のり子さんにメールを送り連絡を途絶えさせないようにしていました。 そんなある日の事 のり子さんからメールが来て 会いたい と…私はすぐに 待合せ場所に行きました。 最初にお会いした時の のり子さんとは 思えないくらい変貌していました。 親友だと言っていた紗香さんの事を とても悪く言ったり あの失恋を今まで引きずって 周りの人達への陰口ばかりを口にして 負の気が身体中にまとわりついていました。 更に 状況は 深刻で のり子さんの顔がダブって見えて 顔の相が定まらなくて……何かあると思い黙って のり子さんの話を聞いていました。 のり子 「アイツ……アイツは私を裏切った。裏切者……許さないっ絶対許さない。」 私 「のり子さん ‼ 」 のり子 「あぁごめんなさい。ボーッとしてました…。余り 眠れなくて……」 私 「 きちんと眠れて無いの? 」 のり子 「実家に帰って来てから…余り寝てないかも……家に居ても文句ばっかり言われるから… 」 私 「 お仕事は? 」 のり子 「帰って来た時に…勤めたけど…続かなかった……田舎の人間て 人のアラ探しが好きだから 陰口ばっかり言うんです。 」 のり子 「暇な時は これ……」 徐にバッグから スマホを取り出して操作する。 私 「 ゲームか何か? 」 のり子 「うふふっ アイツの娘のブログを見てるの。私より大切だっていう アイツの宝物… 」 私 「……………のり子さん?あの… 」 のり子 「ほらっ見て笑えるでしょ?ストリートやってるから…ファンだって書き込んだら…ふふふっ…何でも教えてくれるのよ。ファンでも何でもないのに…だからねコメントしてあげるのよ。下手くそ !! やめろ‼ ブス‼ こんなふうにね。」 書きませんが……とても酷い 誹謗・中傷の嵐でした。 私 「 どうしてこんな事を……。 」 のり子 「ふふふっ…ふふっ だって…私の仕事だもの ふふふっ…」 そう 楽しそうに 話す のり子さんの顔に別の誰かの顔がダブる……。 のり子さんの頭上に 別の顔が浮かび上がる。 私 ( やっぱり…… 中学生?高校生?……娘さん…?違うな…亡くなってるこの子…それに……物凄く怒ってる。 ) 意識を憑いてる彼女に併せる………流れ込んでくる 彼女の生前の……… 彼女の母親?「 いつまでもチャットしてないで 勉強しなさいよ ⁉ チャットするほど友達が多いの?あんた? 」 彼女 「うん。みんな大親友 !! 」 学校の…彼女の友達? 「なんかぁアイツすげームカつくんですけど⁉ 」 「 あっなんかわかる~。」 「 友達?とかマジ無理。」 「凄い偉ぶって何様?みたいな…。」 「 絡んでくんな‼ウザい。」 「 もう学校くんなっ!! 」 彼女は……何か自分がしたなら謝ろうとしていた? 会って話したくても 逃げられて 残酷な言葉だけが 画面を埋めつくし……傷だらけになって…逃げて……それでも執拗なメッセージは届く……終わらない……。 そして………。 「ねぇ まだ〇〇〇〇〇の?」 彼女は……12階 マンション屋上から…… そうか‼ 彼女は イジメられていたから 今 のり子さんが彼氏さんの娘さんのブログに誹謗・中傷を書き込んでる姿を見て 復讐しようとしてるのか… どうしよう…離してもきっと のり子さんが同じ事を繰り返したら 戻ってしまう… 彼女の復讐を止めるか? どちらにしても のり子さんが立ち直りさえ してくれたら…… その後 紗香さんに 連絡を取って 事情を話て 協力して貰いました。 復讐の念が強すぎる 彼女は 別の誰かの元へ行ってしまったのか? のり子さんにダブる事はありませんでした。 その後 のり子さんに会う事がありましたが 以前の様に明るく良く笑う 元の のり子さんに戻っていました。 ここまで お付き合い頂いた方 ありがとうございました。

後日談:

  • 誹謗・中傷は やめましょう。あなたの格が下がるだけで 相手にも自分にも良いこと等 ありませんから…。

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