
大学のサークル活動をしていた頃、私たちのグループには珍しい趣味を持つメンバーが多く、特に写真を撮ることが好きな人が多かった。しかし、その中で次々と私物が消失する事件が発生した。サークルの活動中、カメラが無くなったり、撮影用のレンズが消えたり、時にはメンバーの財布までもが見当たらなくなることがあった。
誰が犯人なのか全く分からず、私は自分のカメラが無くならないようにずっと気を張っていた。だが、ある日、大事にしていたカメラが忽然と姿を消した。ショックを受けた私は、犯人が分からないまま、どこか気持ちが悪かった。
それから数ヶ月後、ある日、サークルの一人の女性が新しいカメラを持ってきた。そのカメラは、私が無くしたものと全く同じ型だった。偶然だと思いたかったが、その女性は他のメンバーの無くなった私物を次々と持ち歩くようになっていた。私たちは、彼女が犯人ではないかと疑い始めた。
彼女がどうしてそんなに堂々と盗んだ物を使っているのか、理解できなかった。そこで、一人のメンバーが彼女に問いかけた。「最近、無くなった物ばかり持っているね」と。彼女はただ一言、「偶然だよ」と返した。
その後、私は彼女に自分の彼氏を奪われることになった。彼は彼女に心を奪われ、私の元を去ってしまったのだ。考えてみれば、無くなった物は、私の大切な時間そのものであった。あの時の写真が無くなったことで、私の思い出は盗まれてしまったのだ。彼女はただの窃盗犯ではなく、私の人生の一部を根こそぎ奪ってしまったのだと、気付いた時にはもう遅かった。私の心の中から、彼女の言葉がこだました。「偶然だよ」。それが、私にとって最も恐ろしい真実だった。
私たちは、気付かないうちに、彼女に全てを奪われてしまったのだ。
果たして、彼女は本当に偶然なのか、それとも私たちの心の隙間を狙った犯人だったのか。すべては、私が無くしたカメラのレンズ越しに見えた世界の中に、隠されているのかもしれない。
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