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長編

クソカミ

匿名 3日前
怖い 13
怖くない 7
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らね」 「やっぱりそうなんですね」 私は苦笑した。 「あのじいさま、あるときからおかしくなってね。夢で神様にあったとか言い始めてさ。それから、どっかから大きい石拾ってきて、自分で電気の工具で文字彫ってさあ。それで軽トラックさ便所と石積んで自分の山さ持っていってね」 「はあ……」 「そんで、うんこするためにって言って毎日山さ入るようになったんだよ。一緒に暮らしてた、ばあさまも息子もお嫁さんも心配したんだ。なんだか訳のわからない宗教かなんかに騙されてるんじゃないかってね」 「そうなんですね」 「けど、その同居の家族が皆死んでしまったから誰もあの人を止められないでいるな。誰も相手にならないでいたら、今度はよそから来た人を捕まえて妙な話を吹き込んでるみたいで。だから、あの人がそういうことをしてるのに気づいたら、私たちみたいなのが声をかけるようにしてるの。そうでないと、ここら辺の人みんなおかしいと思われたらたまったものでないから」 「ご家族は何で亡くなったんですか?」 「みんな病気とか事故とか様々の理由だったんだけどね。けど、あの人が石と便所を置いてから2年くらいの内に死んでしまったから。みんな気味悪くて関わりたくなくてさ」 「そうなんですね。いろいろと聞かせてもらってありがとうございました」 やはり、あのおじいさんは、「有名人」だったようだ。すっかり山菜採りを楽しんだ高揚感もそがれてしまったままで、帰途についた。そうはいっても、山菜はとても美味しかった。 妻が亡くなったのは、その一件からひと月もしない内のことだった。真夜中に寝室で苦しみ出したと思ったら急に静かになった。懸命の処置もむなしく息を引き取った。 妻の葬儀は身内だけで小さく執り行った。しかし、驚いたことにあの時のおじいさんが参列していたのである。私のことは何も知らないはずなのに、どこで聞きつけたのだろうか。私が怪訝な表情をしているのを見たおじいさんが近寄ってきた。 「この度はご愁傷さまです。クソカミ様が、夢さ現れて教えてくれたんです。お供え、嬉しかったみたいです。これで私も当面は便秘がよさそうです」

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  • けっこう怖いな
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