住宅街から駅へ向かう際に皆さんも抜け道なんか使いませんか？ 会社員だった知人の女性はよく遅刻しそうになる理由から、その抜け道を発見して行き来すると無難に間に合っていたそうです。ただ、その抜け道は細く大人2人分で幅が無くなるぐらいで、何度かすれ違う人と窮屈した思いをしたみたいで。 ある日、仕事が余りにも増えて残業し終電で帰宅した時でした。疲労もあり早く帰りたい一心で抜け道に向かったそうです。 深夜の抜け道を照らす灯りは不気味な間隔で少し歩くと薄暗くなり、視界が足元を失うぐらいでまた灯りが出てくる…を繰り返しており、知人の女性は怪我をしないようにペースを乱さず歩いていたんです。 すると遠目から前方に自転車の明かりがゆらゆら近づいてきていた。この深夜にこの道使うなよーと思いながら少し歩くペースを緩めると、自転車がはっきり見えてくる。中年の男性が乗っていて息遣いが荒く一定のスピードでこちらに近づいてくる。 知人の女性は間隔を空けて道を譲ったそうですが、その中年男性は自転車のスピードを落とさず過ぎ去っていき少し怖い思いをしたそうです。それは息遣いがとても独特で自転車の音なんかよりも甲高く「ヒキュ…ヒキュ…」と耳障りに聞こえてきたからで。 気分を変えてスマホを見ながら歩いていると、後ろから「ヒキュ…ヒキュ…」と音がしてくる。びっくりしたと同時にその音はあの息遣いだと解るまでにこちらに近づくスピードが早すぎてパニックになったそうで、その瞬間。 知人女性は後ろから抱き締められ身体は宙を浮き、耳元では「ヒキュ…ヒキュ…」とあの耳障りな息遣いが当たり頭に響いてきたそうです。声も出せず気が遠くなる状態だったけど、その抜け道を真っ直ぐに進んでおり住宅街へと出た所で離され尻餅をついた。怖さから顔を上げる事は出来なかったが「ヒキュ…ヒキュ…」と独特な息遣いはスピードを落とさず去っていったそうです。 その後すぐに友達に連絡し来てもらい、警察も駆けつけて事情を話しました。警察が周辺を調べると抜け道に自転車が倒れており、盗難されたものだったみたいで。巡視強化するから自宅まで送ってくれたそうです。怖い思いはもうしたくないから知人の女性はすぐに引越したと聞きました。