
長編
良い子
匿名 たった今
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『ねぇ!何処にいるの?!』
トイレ?
誰も入ってない。
『悪ふざけはいいかげんにしてよ!!』
寝室?
誰も寝てない。
『…』
子供部屋?
『…』
いた。
誰かが息子の二段ベッドで体育座りをしてる。
部屋の電気を付けようとしたが付かない。
廊下から漏れる明かりでかろうじてシルエットだけ確認できる。
『誰?ママ?』
息子の声だ。
『そうだよ。どうしたの?』
『パパとママを探してるんだ。』
『ここにいるよ』
私はそう言って息子を抱きしめた。
『本当にママなの?』
『当たり前じゃない。わからないの?』
『うん。だって何も見えないんだもん』
『え?』
息子を抱きかかえたまま、廊下に出る。
『…えっ!どうしたの!』
明かりの下で息子を見た瞬間、叫んでしまった。
息子は両目が無かった。
両目があるはずの窪みにはくしゃくしゃに丸められたハンカチが詰め込まれている。
息子の目から流れ出たであろう血を吸い込み、どす黒く変色したハンカチ。
次の瞬間。
『バイバイ』
息子に押され、バランスを崩し、階段を転げ落ちる。
真っ白な天井、真っ白なカーテン、真っ白なベッド。
目覚めると病院の一室。
病室の入り口のドアが開く。
息子だ。
普通に歩いてる。
もちろん目もある。
息子の怪我は夢だったの?
とにかく無事ならそれでいい。本当に良かった。
『ママおはよう。』
『おはよう。』
『具合は大丈夫?』
『うん。ちょっと頭が痛むけどね…』
『パパもずっと心配してるってよ』
『パパが?!帰ってきたの?!』
『電話があったの。』
『いつ?!』
『わかんない』
『え?』
急にめまいがした。たぶん貧血。
意識が飛びそうになる。
『Sさん。ちゃんと薬飲んで下さいね。お昼の分まだ飲み終わってないですよ。』
いつからそこにいたのか、看護士が隣に立っていた。
『Kくん。おかあさんはこれからお薬飲んでお休みするから。外でおばあちゃんと待っててね』
『わかった!』
そう言うと息子は病室を出て行った。
手渡された薬を飲み、目を閉じる。
すぐに意識は朦朧とし、眠くなる。
『…今度は邪魔しないで下さいね。』
耳元で誰かが囁いた。
何処かで聞いた事のある。女の声。
真っ白な天井、真っ白なカーテン、真っ白なベッド。
目覚めると病院の一室。
ベッドには息子が寝ている。
付き添いながら眠ってしまっていたようだ。
左足を骨折した息子は、寝にくそうな体勢で眠りについてる。
「ぐぅ~」
お腹
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- ひようどう、兵藤、Hね ここだけ朗読だと分からなかったsato
- 内容が複雑過ぎて 良く分からないです。ママちゃん
- 怖いけど胸糞悪い。うんこりん
- 何かドラマみたい 最後がいまいち分かりませんまい
- 疲れただけの…お話匿名
- 怖い?くわはらあゆむ
- うーん?よく分かりませんでした。あいちゅん
- なんか長すぎて意味わかんなくなった 霊がここまで出来るなら未解決事件のオンパレードですな
- こわい、、ぽくり
- 過去の新聞検索したけど類似事件ないよね。そもそも子供の目に関する痛ましさからすぐに全国ニュースになるはずだから、創作か。やっぱり特命