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冬の学校で出会いました。
長編

冬の学校で出会いました。

匿名 2016年2月7日
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初めに。この話はかなり長いので、気になる方だけお読み下さい。怖いと言えるほど、怖くはないと思います。 僕が体験したのは、怖いというより不思議な出来事です。 毎年、冬の季節になると、その一連の出来事を鮮明に思い出します。 今となっては懐かしい...そんな出来事が起きたのは、僕が中学3年生の頃です。 中学3年生というと、高校受験の勉強でみんな忙しい季節です。 当時の僕は、私立の受験には受かったものの、本命の公立に向けて必死になって勉強していました。 そして、その出来事が起きたのは、この季節でした。 その日、僕は久しぶりに友達数人と遅くまで校庭の近くで話して過ごしていました。 受験の季節で、友達と長く語れなかった季節ですから、すっかり夢中になって過ごしていました。遅くと言っても、大体6時半頃です。 校庭では、サッカー部がまだ活動していましたし、隣のコートではテニス部がボールを打つ耳慣れた音も聞こえました。 友達数人は同じ塾に通っていたので先に帰り、僕も帰ろうと思ったのですが、学級日誌を先生に提出していなかった事に気付き、校庭に背を向けて校舎に向かいました。 その時です。彼女を見たのは。 最初は別に違和感なんてありませんでした。僕達の学校の制服を着ているし、まだ部活中の子もいますし。 むしろ、その彼女の第一印象は『可愛い!』でしたね。 髪型はショートというか、こけしヘアー?で、容姿もすごく美しい子でした。 ただ、本当に不思議な事ってあるんですよね。その子の表情は、何とも言えない、悲しく、冷たい表情でした。 その表情を見た瞬間、冬の冷たく、いつになく怪しい風が吹いたのを覚えています。 その子は校舎を見上げていましたが、すぐに玄関に入って行きました。 僕も同じ玄関にすぐに入りましたが、その少女は見当たりませんでした。 別にこの時も、不思議な子だな〜、ぐらいにしか思いませんでした。 この学校はA棟からC棟まであり、職員室はB棟の2階にありました。 玄関からホールに向かい、そこから階段を上がって2階にすぐにつき、職員室に向かおうとしたとき、3階に向かう階段の踊り場に、1人の少女を見ました。その背格好を見て (あの、校舎を見上げてた女の子かな?) 職員室はもう目の前なのに、なぜかその子が気になってしまい、3階に向かいました。 今思うと、なぜその子の事を追いかけたのか不思議です。 好奇心が勝ったといえば確かにそうかも知れないですが、普段の僕なら目の前に職員室があるのなら、学級日誌を提出してそのまま帰ったと思います。 けど、このときは確かに踊り場で見かけた彼女を追いかけました。 恋愛的な感情で(つまり一目惚れで)追いかけたのか、それともなにか人を引きつける強い思いを感じて追いかけたのか...。 今考えても、その答えは分かりません(笑) たどり着いたB棟の3階には、美術室がありました。そこからホールを挟み、C棟に繋がっています。 ホールまで行きましたが、追いかけたはずの彼女はどこにもいませんでした。 ホールの窓からはライトに照らし出された校庭が見え、サッカー部が後片付けをしている最中でした。 さすがに見失ったその子を探すのも気が滅入るので、職員室に行こうと階段に向かったとき、ピアノの音が聞こえてきました。 C棟の奥には、音楽室がありました。そこからピアノの音... またしても好奇心が勝って音楽室に向かい、ドアの窓からはからそぉーと、覗いて見ました。 やはり、弾いていたのはあの時の彼女でした。しかし、なぜか電気はついていません。 冬の空の月明かりだけが音楽室を照らしだし、出来すぎとも思えるほど、幻想的な光景でした。 彼女の表情は見えませんでしたが、それでも心臓は破裂しそうなほどバクバクしていたのを覚えています。 聞こえてきたピアノの曲が何だったのかは今も分かりません。ただ、不安を掻き立てるような、けれど途中で優しい音色...不思議な曲でした。 どれくらい時間がたったかは忘れましたが、その曲を夢中で聴いていました。そして、視線はやはり自然と彼女を見ていました。 そして、彼女はピアノを弾き終わったのか、静かに椅子から立ちあがり、気付いていたのか、僕の方を向きました。 今でも忘れません。あの時の彼女の笑顔を。 可愛いというか、本当に神秘的な笑顔でした。しかし、学校にこんな可愛い子いたかな?という疑問も同時に浮かびあがりました。 これだけ可愛い子がいれば、話題になりそうだけど...という思いです。 (僕達の話の話題のひとつは、あの子が可愛い!いや、あの後輩も可愛いよ!でしたから。) すると、ホールの方から「パァーーン!!」という、破裂音がしました。驚いてホールの方を見ましたが、異常はありません。 もう一度音楽室を見ると、もう誰もいませんでした。 「えっ、はっ、はぁぁ??」 驚きのあまり、声をあげてしまいました。ドアに手をかけましたが、 「ガチャ...ガチャガチャ!!」 鍵がかかっていました。というか、音楽室の前に僕が立っていたのですから、仮に音楽室を彼女が出たとしても気付きます。 音楽室の窓から飛び降りた?とも考えましたが、窓を見ると締め切ってあります。 「.........」 ホールの破裂音といい、音楽室から人が消えたといい... ここで初めて、好奇心が恐怖心に変わり、職員室に向かうのも忘れてそのまま家に急いで帰ってしまいました。 翌日の朝早くに、学級日誌の提出を忘れたことを先生に詫びてから授業を受けましたが、昨日の出来事が忘れられず、先生の話なんか耳に入りませんでした。 しかし、その日の給食の時間に事件は起こりました。 僕の通っていた学校は、放送委員により、給食の時間に様々な音楽を流していました。 その日の給食の時間も音楽が流れていましたが... 「ブチッ...ブーーン...ブチブチッ!...」 という、嫌な音の後に、何やら聞き慣れないピアノの音楽が流れ始めました。 ...いや、僕には聞き覚えがある音楽でした。不安を掻き立てるような、けれど途中で優しい音色... 間違いなく前日に聞いた、彼女がピアノで弾いていた曲でした。 そこから、かすかに聞こえました。 「...きい......く.........あ......とう...」 その声の後、ピアノの音は消えてしまいました。 その後、教室内ではちょっとしたパニックになりました。 学校全体にその放送は流れていたようで、まず放送委員のイタズラが疑われましたが、放送委員は覚えがないとのこと。 それどころか、放送室自体には異常はなかったとのことでした。 けっきょく、この事件は放送器具による故障ということで片付けられましたが、納得している人はいなかったと思います。事実上の迷宮入りです。 しかし、僕にはあの声が、いや、あの声の主が何を伝えたかったかはわかりました。 「聴いてくれて ありがとう。」 あの子が何者だったのか、なぜ僕の前に現れたのか... ただ、なにか無念を残してこの世を去った子だな、というのは感づいていました。 けれど、あの日の音楽室で、ピアノを弾き終えた彼女の表情は、決して最初に出会ったときの冷たい表情ではなく、綺麗な笑顔でした。 僕はあの子に、あの日、恋をしていたのかな〜と思います(笑) 僕が不思議な体験をしたのはこの時だけです。この日以来、彼女にも会ってないし、不思議な体験もせず、普通の生活を送っています。 そういえば、あのホールの破裂音は何だったのかな... 最後に、長々とした文と、構成が下手くそでごめんなさい。

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