
中編
地獄の理科…
匿名 3日前
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ようでもあった。
そして彼が読み終えた瞬間、世界は変わった。
「ぶりゅりゅりゅちりゅちちち〜っっっ!」
その音は、彼の尻から解き放たれた悲しみの歌であった。それは人間の弱さの賛歌であり、肉体という牢獄からの一時的な解放の調べであった。それは彼の敗北の音色であり、同時に彼の勝利の証でもあった。
教室は一瞬、静寂に包まれた。そして次の瞬間、笑いの渦が巻き起こった。私も例外ではなかった。その笑いは私の内側から溢れ出し、やがて嘔吐へと変わった。
私は吐いてしまった。ゲロという美しい虹を。
大便と嘔吐。それは人間という矛盾に満ちた生き物の象徴なのかもしれない。喜びと苦しみ、美と醜、崇高と卑俗。それらはすべて、私たちの中で混在している。
鈴木くんは顔を真っ赤に染め、教室を飛び出した。彼の背中は小さく、か細かった。私は彼が去っていく姿を見つめながら思った。私たちは皆、いつか自分だけの「ぶりゅりゅりゅ」の瞬間を迎えるのだと。そしてその時、他者の笑いの中に溶けていくのだと。
それが人生という名の喜劇の真実なのだろう。
後日談:
- ノンフィクション
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