
短編
初七日前に会えたおじいさん
匿名 2日前
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タクシードライバーの私が配車で向かったお宅。
夜10時半頃です。早めに到着したのでインターホン押して到着お知らせしてみました。
ピンポーンと音はしたのですが、玄関は開く事なくて。間違えたかなぁってタクシーに戻ろうとしたら、玄関が明るく光りおじいちゃんが出てきたんです。
表札の名前確認しながら、タクシー呼ばれなかったですか?って聞いたら。
そのお宅は裏の方です。って言うので、夜分にすみません、失礼しました!って言って頭下げて玄関見たらおじいちゃんは玄関にいなくつて。
戻るの早いなぁって思いながら、タクシーで裏の方へウロウロ回ってみたんですが、それらしきお宅がなくて困っていました。
しばらくしたら、すみませんお待たせしましたーっておじさんが手を上げて乗り込んできました。
で、インターホン間違えて押したかもって、いきさつ話してみて、おじいちゃんが玄関から出てきたんですぅって話したら。
おじいさんですか?って言うとしばらく黙り込むので。はい!黒縁メガネの脚が悪そうなおじいちゃんがそのお宅は裏です。って言ってました。
って伝えたら。
それ、ウチの父です。
ただ、4日前に亡くなったんです。って言うんです。
いやいや、私会話しましたよ。
お宅は裏ですっておじいちゃん言うから、私はウロウロ探してたわけで。って言うと。
その、裏って言う先にある葬儀場で父にお別れしたんです。って話されて。
私は鳥肌が立ち、ゾワゾワしました。インターホン鳴らなかったし、玄関が開いた音も会話も何もしなかったですよ!って息子さんは言うんです。
その夜、4月にしては寒いからかおじいちゃんがセーター着ていて。
ベージュのセーター着てにこやかに私に、そう話してましたよ。って言うと。
お客様である、息子さんが。
ゴルフ好きで、ベージュのウェアがお気に入りだったんです!って言葉が最後でした。
目的地に着くや、お金を払うとそのお客様は深々と頭を下げてタクシーを降りました。
4日前に亡くなった話しに恐怖を感じたのですが、あの優しそうなおじいちゃんの顔を頭から離れず息子さんの様子みて、会いに来たであろう父に対する想いを察すると。私は感動すら覚えました。
こんな体験初めてですが、間違いなくおじいちゃんに会えたし、会話しました。
でも、ほっこりしてます。
後日談:
- 今見えてるのが現世とは違うかも!って初めて感じました。
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- 鳥肌ですね...ririri
- わかりやすく伝えるのがへたっぴなんですね!あー