
最近、兄ちゃんの部屋に入るのがすごく怖い。
もうすぐ卒業するし、今日は美桜と一緒に中学校の思い出を話してたんだけど、ふと兄ちゃんのことを思い出した。
あの部屋、なんだかおかしいの。私が小学校の時までは、兄ちゃんの部屋はただの「大人っぽい場所」って感じだった。漫画やゲームがいっぱいあって、たまにこっそり漁ったりしてたけど、何もおかしいことなんてなかった。
でも、小5あたりから急に、ちょっとした異変を感じるようになった。最初はただの気のせいだと思ってたんだけど、最近は明らかにおかしい。例えば、兄ちゃんが部活で出かけている時に、部屋を見に行くと、開きっぱなしの漫画のページや、箱の向きが変わってることが頻繁にあるの。
「また兄ちゃん、なんかやってるんじゃない?」なんて思ってたけど、昨日の夜、スマホをいじっていた時に聞こえた、「ペラペラ」と紙をめくる音。兄ちゃんはその時間、部活でいなかった。もう、部屋のドアが怖くて怖くて仕方ない。何かが、そこにいる気がする。
今朝、美桜と一緒に学校に向かう途中、彼女がこんなことを言ってた。「ねえ、心春の兄って、ちょっと変わってない?」確かに、最近の兄ちゃんは、なんだか妙に無口で、夜はずっと部屋にこもってるし、気づいたら私が横を通り過ぎる時に視線を感じることがある。これまでは、私のことを気にかけてくれてたのに、今はまるで他人のよう。
そんなことを考えてたら、ふっと兄ちゃんの部屋のドアを見た時、なんか、ドアの隙間から目が覗いているように思えた。気のせいだと自分に言い聞かせて、目を逸らした。
でも、今夜もまた、あの音がするかもしれない。どうしよう、兄ちゃんの部屋のドアを開けたら、何が待っているのか、本気で怖い。だから、今はもう、見ないふりをすることにした。あの部屋が、ただの部屋であることを願いたい。
だけど、もしあの箱が、次に勝手に開いていたら、その時はもう、何も考えられないかもしれない。
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