
冬の寒い夜、仕事の合間にデジタルカメラのアプリを試していた。カメラのストリートビュー機能を使って、普段とは違う視点から街を眺めることができると聞いていた。
高層ビルのオフィスから、外の景色を探索してみることにした。建物の中まで入れるこのアプリは、まるで自分が映像の中を歩いているかのような感覚を与えてくれる。
「お、ここも行けるんだ」と、ビルのロビーからエレベーターに乗りこむ。ボタンを押して、最上階まで上がった。
最上階に出ると、思ったよりも広々としたフロアが広がっていた。自分のオフィスに行けるかなと、カメラを進めてみた。すると、驚いたことに自分のデスクの前まで進むことができた。
「すごいな、ここまで撮影されているとは」と感心しながら、デスクの上にあるパソコンや書類が映し出される。さらに進むと、会議室のドア前に立つ自分が映っていた。
「まさか、誰かがこの瞬間を撮影しているのか?」と不安がよぎる。そのままカメラを進めていくと、なんと会議室のドアが開き、内部が映し出された。
「えっ、ここは…」映像の中の自分が会議室に入ると、そこには普段通りの同僚たちが集まっていた。しかし、何かが違う。彼らの顔は、まるで自分を見ているようだった。
恐怖に駆られ、スマホの画面を見つめると、今まさに自分の目の前に立つ姿を、カメラが隙間から盗撮しているような映像が映し出されていた。何かが、すぐ近くにいるのだ。彼らの視線は、じっとこちらを向いていた。恐怖が胸を締め付ける中、私はその場から逃げ出したい衝動に駆られた。だが、動けない。まるでカメラに封じ込められたように、動けないまま、ただ見つめることしかできなかった。恐怖が心を占め、どうすることもできなかった。全ては、デジタルの中に閉じ込められているのだ。どこまでも続くこの恐怖から、逃れることはできないのだろうか。何が真実なのか、まるで分からないままだった。
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