
中編
嘘のような… 本当の話です
ぼろぼろ 2日前
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東京で独り暮らしをしていた娘が退職して実家に帰ってきた。
帰って来てから ほんの半月の間に ゲジ、カネムシ、クモといった
害虫に遭遇してしまった娘。
『東京ですら虫なんて いなかったのにー!』と嘆く娘。
虫が何より苦手で どんなに小さな虫でも悲鳴をあげながら
固まってしまうほどなので短期間で3連発は相当 堪えたはずだ。
娘が帰って来るまでは家の中で虫など見なかったので
『きっと、あんたの事 歓迎してるんだよ。』と言うと
『そんな歓迎は要らない!』と叱られた。
それから数日後、娘の部屋から悲鳴が…
旦那は不在だった為、仕方なく掃除機を持ちながら
娘の部屋へ向かった。
ドアを開けると同時に 『どこ!?』と訊くと
声も出さずに壁を指差している。
私も虫は苦手である。
少しでも躊躇したら失敗すると思った私は
視界の隅に見えていた黒っぽいものに
勢いで掃除機の吸い口を当てた。
えーぇぇぇ!
なに なに なに!?
今の何!?
それは虫などではなかった。
一瞬ではあったが、男性の顔が吸い込まれていくのを見た。
白黒っぽかったが、間違いなく男性の顔だった。
影とかではなく、太宰治似の男性の顔だった。
ふざけてはいません。本当です。
男性の顔を掃除機で吸い取ってしまい
どうしたものか… と困惑したが
そのままにしておくのも嫌だったので
お世話になっている ご住職に相談すると
すぐに家に来て下さった。
掃除機をジット見つめていた ご住職が
『確かに男性が居ますね。が、なんだか非常に怯えていますよ。』
『突然、強い力で吸引されて驚いているのか…』と首を傾げて言いました。
『おそらく放っておいても問題は無いよ。』
『でも そのままでは気味悪いでしょう。祓っておくからね。』
と言って対処して下さいました。
ご住職は男性の怯え方が尋常でない事が気になっているようだったので
私は まさか… と思いながら つい最近、立て続けに虫を吸い取った事を話した。
『おやおや、原因は それかな。男性でも虫が苦手な人は居ますからね。』
『恐怖のあまり、その場から離れる事も出来なかったのかな。』
と笑って仰った。
因みに、男性の霊は私たち家族に危害を及ぼすものではなく
その辺を浮遊していたのだそうで、偶々無人となっていた
娘の部屋が居心地が良く、居座ってしまっ
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- こーちゃさん、コメント有難うございます。こういった話は知人に話すには気が引けますので身内以外には殆ど話さないのですが… 息子も「怖いっちゃあ怖いけど笑えるっちゃあ笑えるな」と同じような事を言っていました。^^;お母たん
- 投稿者さんも娘さんも怖かったと思いますが、虫が苦手&突然の掃除機で怯える霊を想像したらちょっと面白かったですこーちゃ